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地球の地殻を形成する花崗岩と玄武岩 その生命の誕生との関係 その2


花崗岩生成には水が不可欠
「花崗岩はどうしてできたのでしょうか。あるいは、固まると花崗岩になるようなマグマどうしてできるでしょうか。マグマは、高温高圧の条件に置かれた岩石に、水が加わると、比較的低い温度でも溶けはじめます。

  今まで固体の岩石であったところに、水が加わるとマグマができるのです。その時に特徴的にできるマグマが、花崗岩のマグマなのです。花崗岩と水とは、切っても切れない関係があったのです。

  花崗岩のマグマができるには、地下の深いところまで水を持ちこまなければなりません。水は海があれば、そこから供給(きょうきゅう)されます。問題は、地下深いところにどのようにして(メカニズム)水を入れるかというです。

  その水の供給のメカニズムとして、プレートテクトニクスが考えられています。
  プレートテクトニクスとは、海嶺でできたプレートが、海底を移動しながら冷えて、海溝で沈みこむ、という地球表面をおおう岩石のひとつづきの運動のことです。

  この沈みこむプレートといっしょに、水をふくんだ堆積物や岩石も沈みこみ、地下の圧力で水がしぼりだされていきます。しぼりだされた水は、上にあがっていきます。海のマントルの中や陸の地殻の下にプレートは、沈みこみます。ですから水が上がっていくと、あたたかいマントルや地殻の岩石にであいます。あたたかい岩石に水が加わると、岩石が溶けます。これが、花崗岩のマグマとなっていきます。
  大陸には古い時代の花崗岩がたくさんあります。つまり、いろいろな時代にできた花崗岩があります。陸の証拠である花崗岩も、海があったという証拠にもなっているのです。」
http://www1.tecnet.or.jp/lecture/chapter4/4_04_2.html

では水はどうして地球で生まれたか?
この太陽系の惑星で、地表に海があるのは地球だけである。ほかの惑星では、今の説では地下に海が浸み込んでしまっていたり、凍りついている惑星しか存在しない。したがってはるかな過去に、火星や海王星にだって海があったと言っておかしくないのだが、なぜか今のところ、水によって生成される花崗岩マグマも花崗岩も見つかっていない。ただし見つかっていないのも当然で、誰もその遠すぎる惑星の地中深くまで調査していないからである。今後、発見されてもおかしくない。その確率は、太陽系の外の銀河に宇宙人がいる確率よりはるかに高い。

地球で水が生まれた理由は

「微惑星の衝突・合体によって原始惑星が大きくなってくると、水素とヘリウムを主体とする原始太陽系円盤ガスを重力的に捕獲し始める。
 原始惑星が月サイズ程度(~10^20kg)になると、惑星の重力エネルギーが円盤ガスの熱エネルギーよりも大きくなり、円盤ガスは大気として束縛されるようになる。
 水は水素と酸素からなる化合物であるので、この水素に富む大気に酸素が供給されれば、惑星上で水が生成する。」http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=265758

つまり酸素と水素があれば水ができる。
その後、地球の温度が急に下がってくると、原始大気の中にふくまれていた水蒸気が雨となり、地上にふりそそぐようになって海が生まれた。
酸素と水素は地球を形成した太陽フレアガスにもともと含まれていた。
だが、その条件はほかの太陽系惑星も同じだったはずだ。だから火星や土星にだって水はあったはずなのだ。しかし太陽からの距離と時間が、いつしか地表から海を消していった。では地球より太陽に近い金星ではどうか?高温すぎてできても蒸発してしまう。まことに奇跡的条件で、地球だけが水を表面に持てている。しかしやがて火星のように涸れ果てる日が来ることだろう。というわけで、今は地球にだけ花崗岩がある。というか、見られる、露頭があるということになる。

では花崗岩と生命誕生には何か因果関係が?
実はなにもわかっていない。
最古の生命誕生は現在の学説では海中火山の河口での硫酸ガス噴出によったという説が有力。その海底火山というのはつまりは地下のマグマだまりの噴出口である。マグマはかんらん石と玄武岩が溶けてできている。するとそこには花崗岩は無関係だとなってしまう。しかし水ができてこそ花崗岩が生まれたのだから、やはりある意味で生命と花崗岩は、地球の子供として、遠い親戚だと言えるかもしれない。そもそも無機物と有機物を分けて考えてしまうのは地球規模ではおかしなことだったのだ。どちらも地球の成分でできた兄弟だ。地表の岩石は今は冷えて無機物だが、マグマに飲み込まれればまた動き始める。

地球ができあがった頃の最古の岩石はだから玄武岩で、その当時の地球は真っ黒な玄武岩の塊。そこにマグマからの水蒸気によって花崗岩が乗っかって大陸が生まれた。乗っかっていない海中ではいまだに玄武岩のプレートのままだ。大陸プレートはだから最下層に最古の玄武岩岩盤があって、その上に花崗岩層が乗っかっている状態。それが全地球の大陸の岩盤構造だ。それがプレートになってぷかぷかマグマの海に浮かんでいる。

玄武岩と花崗岩はだから最古の岩石であるが、海ができると鉱物には多様性が生まれ、いろいろな岩石が生まれた。それがまた上に乗っかる。さらに火山の噴火などでマグマが固まった溶結凝灰岩がカバーした土地も多い。この岩はでこぼこで風に乗ってくる砂や埃をよくつかみとり、砂岩になる。大陸の多くで、そのように花崗岩岩盤の上には各種のオブラートがかぶさっており、そこに森ができている。ところが日本の中国地方のように山地が、火山が無いので灰土もあまりかぶらない、花崗岩岩盤だけでできていた場合、豪雨にからっきし弱いわけだ。なぜ改良しないでやってこれたかと言うと、これまでの気象環境では、中国地方にはほとんど大雨が降らなかったからだ。だから花崗岩岩盤地帯である山陽・四国北部の丸亀などには、大昔からため池が山ほど作られたのである。関西の淡水魚ファンはみな兵庫~備後に多いため池でのフィッシングを楽しむ。筆者もそうだった。江戸時代の青木昆陽以前から、関西には古代ため池まで、古いものが多く、昨今の農業高齢化で管理がルーズに成っている。だから大雨のあとに用水ため池に決壊が起こりやすくなった。ちょっと前なら和歌山県で台風直後にあふれたことがある。あれも今回のよい前触れだったわけである。

台風以外、これといった災害も豪雨も無かった中国地方~九州福岡県は花崗岩岩盤地帯である。山口県~広島県西部などでは、さらにここに石灰岩がかぶさっている。秋吉台に代表されるカルスト地層である。火山がないはずの中国地方では、山口県周辺だけは太古の火山によって盛り上がった地域で、さんご礁が造山運動の褶曲によって盛り上がった場所になる。

「約3億5千万年前(古生代石炭紀)、赤道付近のパンサラッサ(古太平洋)上にホットスポット起源のいくつもの海底火山が生じ、海面近くの頂上に珊瑚礁が形成された。これらの海山・珊瑚礁群は秋吉海山列と名付けられているが、秋吉台をはじめとする西南日本内帯のカルスト台地(ほかに帝釈台、阿哲台、平尾台など)のもととなり、最終的に厚さ500mから1000mの石灰岩層が堆積した。これらはプレート運動により北西へ移動し、海溝域で遠洋/深海成の地層と共に今のユーラシア大陸の一部に次々に付加し、海溝内堆積物中に埋もれた(約2億6千万年前)[2]。このとき、珊瑚礁であった部分が現在のカルスト台地の石灰岩層をつくっている。」Wiki秋芳台
 
だから山口東部~広島西部は石灰岩だらけだ。その後阿蘇山カルデラの大噴火で大量の火砕流と火山灰が萩あたりまで流れ込み、今にいたっている。つまり本来の花崗岩岩盤を割るように石灰岩岩盤が盛り上がってきて台地になり、その上に阿蘇火砕流の溶結凝灰岩がカバーしているのがここの特徴で、おかげで大雨には強い地層になっている。しかし部分部分ではそのオブラートの無い場所もあって、かつて山口豪雨で、花崗岩のコアストーンが流れ出たところもあるから要注意。

※コアストーンは花崗岩のいわば「迷い石」だが、津波でも海から巨石が流れてきて迷い石になった場所がある。これを津波石と言う。タイにあるそうだ。

山口県と福岡県遠賀川流域には銅の鉱床が見られるが、鉱物はどうやってぢきるのか?
鉱物は元になる鉱石成分を含んだマグマが、岩盤のひび割れなどに入り込むことで、冷えて、圧縮されてできあがる。だから石灰岩や花崗岩地層にはすきまが多く、鉱脈があることが多い。これを往古の工人たちは「むかで」とか「へび」あるいは「目」などと呼んだ。狭い隙間をマグマが通り抜けることで隙間にたまった鉱物成分が混じる。大理石などは石灰岩がマグマで溶けて再編成された新しい鉱物である。だからときに中に貝殻や化石が混じっていることがあるわけだ。

ヒスイはどうやってできる?
「翡翠が産出されるところは全て造山帯であり、翡翠は主に蛇紋岩中に存在する。蛇紋岩は地殻の下のマントルに多く含まれる橄欖岩が水を含んで変質したもので、プレート境界付近で起こる広域変成作用の結果としてできる岩石である。
一方のプレートが他のプレートの下に潜り込むことにより広域変成作用が起こり、同時に激しい断層活動で地上に揉みだされることにより蛇紋岩は地表付近に出現する。その途中でアルビタイト(曹長岩)や変斑糲岩、変玄武岩を取り込むことがあり、それらが高い圧力のもとでナトリウムやカリウムを含んだ溶液と反応して翡翠に変化したと考えられている。」Wikiヒスイ
実はまだあまり解明されてはいない。
ちなみに翡翠とはカワセミの中国名。そのあざやかな色から。







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