Kawakatuが今度の正月用に借りてきた本
ジャック・ニニオ 『錯覚の世界 古典からCG画像まで』新曜社
岡田尊司『マインド・コントロール』文藝春秋
片山一道『骨考古学と身体史観』敬文社
高橋正樹『花崗岩が語る地球の進化』岩波
金成陽一『まだあるグリムの怖い話 グリム・ドイツ伝説集を読む』
加藤 徹『本当は危ない『論語』』NHK出版
広瀬和雄『古墳時代像を再考する』同成社
最近はもう、考古学者や文献史学者や民俗学者の書いたものでは物足りなく(もともとそうだが)、科学の範疇の地層や鉱床などの地質学、岩石からのアプローチに目が向いている。歴史は人の動きであって、それなら必要なのはなぜ彼等が鉄を求めて、どこをどう探し、さらにではなぜそこに鉱床があって、日本列島のどこに分布し、それには因果関係や同じ民族がそれを求めて移動した・・・そいう視点が最も歴史学の基礎に持ってなければならないものじゃないかと思っている。
ひるがえって、日本の考古学者や史学者や研究者に、どれだけ地質までさかのぼる人がいるかと考えると、日本の歴史学は遅れているとしか言いようがなくなる。
論語と孔子は、昨今、中国の人民に急速に復活しはじめている。儒教は徳川幕府がそうだったように200年くらいは、武士の血なまぐさい戦争好きを押さえ込めたが、幕末に「志士」という言葉が論語から復活し、いきなり争いがはじまって、明治になった。永久とも見えた徳川の平和をつきくずしたのは、孔子の儒教理論の裏側にある頑迷で排他的な危険思想を生む部分である。つまり儒教にも光ばかりでなく影の部分が潜んでおり、そういう意味で、今の中国に生まれ始めた孔子への復活は恐ろしいのである。アヘン戦争でも中国は英国の科学に屈したが、あれも哲学は一級品なのに科学性、客観性がなかったためで、その根本には儒教の技術者差別思想が満ちていたからであろう。
マインドコントロールは、そうした歴史上の大崩壊・大転換をさせてこなかった、信仰や観念や教育の中にしのびより、人心を崩す技法であり、そこに往古の為政者たちのノウハウがあったはずである。
骨考古学は、これまでの考古学者では考え付かない、列島の弥生人の人骨種類の雑多さを語っている。われわれは弥生人という学校教育の偏ったひとつくくりの考え方で、弥生民族がまるでひとつだったかのように錯覚している。しかし実際の弥生人骨は実に多種多様で、地域ごとに別種がちょこちょこ入り込んでいたことを証明しているのである。つまり一般の遺跡・遺物・古墳からしかものを考える発想のない考古学者地たちよりも、実証性が一段上、より細密で、「人」にたどり着くには最上の科学である。
主として苦手な理科系の著書を選んだ。漠然とした文科系史学では答えを出せないでいる部分を明確にできるはずである。以前は、鉄の歴史や水銀鉱脈などもかなりここに書いてきたが、花崗岩ほど鉱物成分を多く包含した石はない。花崗岩さえ知っていれば、豪族たちの欲したもの、誰がそれを追いかけて、どこまでいったか、要するにヤマトタケルとは誰なのかが明白になる素材であろう。中国地方、際手・宮・福島・茨城・四国の人々はこれをもっと読むべきだろう。「阿武」地名とはについても詳しい。鎌足も阿武山に葬られた。つまり目的が鉄の氏族だったからだろう。
グリム童話は実は頭を休めるために借りたが、昨夜ぱらぱらとめくっていると、どうもここにも古代からの人間のどうしようもない差別意識などが山盛りで、人の性格を知るにはよさそうな本だ。
諸氏も、とりあえず正月ほどゆっくり書を読めるときはない。お読みください。
ちなみにかつて『論語』は中国では『書経』『史記』を最高の「バイブル=書」とし、論語は二流の書物であった。中心的思想になるのは宋代になってから、多くの注釈書が出るようになってからだ。つまり為政者にとっての戦争容認のための理由づけが儒教と孔子と論語には満ちていたのだ。さらに論語は孔子が書いたわけではなく、その死後に弟子が思い出して書いていった孔子発言集で、論語はむしろ儒教のための副読本でしかなかった。論語の危険性は中国人は充分しっており、読み間違えたり、妄信すると必ず災厄を呼ぶと考えていた。ところが、今の底辺の基礎学力の足りない人々が、これを勝手に解釈し、妄信し始めている。小学生にはしつけの本ではあるが、これを曲解する大人には猛毒である。理解力の低いものには気軽に読ませぬほうが身のためであろう。ばかは単純で、すぐに差別を楽しみ始める外道である。小学校で差別やいじめが増えるのも、むしろ儒教思想の残存、隔世遺伝だといってもよい。それを安易に教えようとする教育者などは、まさに右思想の代表であるかもしれない。実に危うい、あの小男は。
ご注意を。
しつけるとは、逆に言えば「自由を奪う」ことでもあることをお忘れなく。儒教思想がつきつめてできあがった明治政府が第二次大戦まで行き詰めたこともお忘れなく。
では次回、花崗岩鉱床から何が見えるか?お楽しみに~~~~
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