Quantcast
Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1881

北風・冬将軍

$
0
0
北西風
現代・きたかぜ・からっかぜ
古代・あなじ(乾風)  冬に近畿以西で吹く、船の航行を妨げる強い北西季節風。あなぜ。あなし。
「風の名称辞典」よりhttp://www32.ocn.ne.jp/~gaido/kaze/na.htm
 
 
「あな-し(じ)」 「あな」は感嘆の「ああ!」「わあ!」→「あな!」に由来する驚きや感動の意味。「し」は風の古語である。「斯」「科」。陰陽道ではあなしの風は金を生み、民間では「し」は「死」「四」に通じるため北西ないしは北北西~西は金気、黄泉の方角になる。「しなの」は風の野由来。

日本列島では北西の風は冬の季節風。気象学では西高東低の冬型配置のときに等高線が南北に縦になり、その間隔が狭くなったときに強風が生じる。風は気温の高いところから低いところへ移動するので、高気圧のある北西側から南東へ向いて吹いてくる。ちょうどその位置に日本列島がある。この風の早い動きに、北にあるシベリア寒気団が活発化し、巻き込まれた寒波が降りてくる。アジア大陸方向から吹いてきて、日本海を渡る際に多くの水分を持ち込み、本州の山地にぶつかる。そのため、日本海側では多くの雪を降らせ、山を越えた太平洋側では乾燥した風となる。空っ風はこれである。
 
 
イメージ 1
典型的冬型気象配置
 
イメージ 2
今日2014年1月9日の天気図
 

一般に「北風」とはこの北西風のことで、近畿地方でこれを古来「あなじ」と呼んだ。
今風に言えば「わお!の風」という意味。
 
「あな」は穴にも通じ、金の気がたたら穴に吹くたたら風とも鍛冶(かじ)風、あるいは炭焼き風でもあった。山際では「おろし」とも言う。
 
 
大陸から吹いてくるため、途中にある砂漠の砂(黄砂)や都市の汚染した空気(PM2,5やそれ以下の微小物質など)までも大量に運ぶ。これに応じてシベリア寒気団が降りてきた場合を「冬将軍の到来」と呼ぶ。
 
まことに運の悪いことに、この強風の最も影響を受けるのが日本海側と北関東にある中央アルプスを通り抜けてきた空っ風で、大雪や突風、さらに昨今では竜巻を生み出す。一方太平洋側では大雨となり、雪は少ないが冷害をもたらすことになる。北風の影響が最も少ないのは沖縄地方、鹿児島県東部・宮崎県・大分県南部、高知県、紀伊半島南部、たまに南関東である。反対に最も被害が及ぶのが豪雪地帯である新潟県を中心とする日本海側の東西広範囲と北海道西部。
 
 
イメージ 3
 
 
いわば「鍋の風」「風邪のかぜ」だな。
 
イメージ 4
 
 
 
 
 
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1881

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>