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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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新春書き始め ケルト神話とハリポッタ・指輪・妖精魔術師妖怪

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 諸氏、あけおめ、ことよろ
 
新年書初めはケルト神話と妖精と土蜘蛛
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上の立石はどことなく吉備の楯築墳丘墓の立石に似ている
 
 
 
 
われわれ日本人でも知っている欧州の神話や民話の大半は、ケルト神話を基盤にしてできていると言っても過言ではない。ゲームをやらない筆者でも、昨今はやったロード・オブ・ザ・リングやハリーポッターなどが、みなケルト神話の中から生まれてきたロールプレイング・ゲームや魔術師譚の大元であろうことはうすうす気づいていた。
 
昨年末のある読者のコメントに「妖精」というキーワードが書かれていたのをきっかけに、それまで考古学と遺伝子学といった科学的解明にしか気が向いていなかった筆者に、民俗学的な関心がむくむくとわきあがった。それで、この寝正月の「つんどく」本の中から、妖精・妖怪・神話を念頭に読み進んでゆくと、案の定、アーサー王伝説、円卓の騎士ランスロット物語、トリスタンとイゾルデ(イズー)、指輪物語、魔術師マーリン、エクスカリバー、王妃グウィネヴィア、聖杯伝説、ガリア戦記などのあまりにも有名なヒントがぞくぞくと現れた。
 
一覧がWikiリンクページとして存在する。便利である。
 
参考になるサイト
 
 
 
それに付随して登場するさまざまの奇天烈な妖精人種?や土蜘蛛や鬼のごとき妖怪人種、魔法使いのキャラクターが、あたかも日本神話の敗者・・・平定されていった縄文原住民族と類似することもひしひしと感じ取った。ケルトという好戦的な民族が首狩りにまい進した理由は、南島ボルネオの首狩り族とまったく同じ、人頭に精霊・魂魄が宿るという理由からである。ボルネオの首狩りについてはすでに書庫を設営して解説してある。→「首狩り研究・世界と日本
 
ロード・オブ・ザリングは新しい小説作品であるが基層にあるのはやはりケルト神話である。奇しくもこの正月に深夜上映された。筆者はすでに劇場で観たが、三部作と長丁場で、まとめ下手な饒舌映画として切り捨ててきた作品である。しかしなんとなく暇にまかせて一作目とその前のテレビシリーズ?だけもう一度ぼんやり眺めていた。するとむくむくとケルト神話と妖精への興味が再燃したではないか。
 
 
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ちなみにこの正月に観たテレビ・・・うまいぐあいに先月からBS契約したのも偶然だが・・・ほとんどBSの映画と、パラオ海洋民や海外に俳優が訪問して深くピンポイントでその土地の文化を掘り下げる番組、なつかしの名画、なつメロ番組、ドキュメンタリーばかりを観たわけで、その中に民俗学的に興味の涌いたよい番組があったことはラッキーだった。そういうものの中に、意外に筆者のヒントは転がっていることが多い。福山君のアフリカ訪問では類人猿のチンパンジーとボノボとゴリラのすみわけとその原因となった大地溝帯(Great Rift Valley・グレートリフトバレー)の大変動による人類発祥問題とからめて非常にヒントになった。いわゆるチンパンジーの攻撃性とボノボの平和性の相違が、大河を隔てた南北で相違があり、豊かな雨林を選んだボノボは、メスを争奪する野生なら当然の本能を、メスがオスの性欲を管理抑制させるために、不定期発情と模擬セックスというとんでもない行動を発明したという、極めて人間的行動の面白さで眼からうろこを落とされたのである。
 
 
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ルーシーは東大地溝帯で発見されたが、ここでは続々と新しい人類そ祖先たちがその後も発見されている。人類は大地溝帯の東側という雨のない乾燥した不利な場所にいたサルの子孫である。だから旅立った。
 
ケルトもトルキスタンもインディアもみな、その枝分かれした最初期の人類である。おそらく彼らには共通の伝承がDNAの中に、まだ新しい共通観念として組み込まれ、その鮮度は落ちてはいなかったことだろう。だから世界の東西に、原人、旧人から受け継がれてきたそれらの基層観念が作り出してきた神話に類似点が多いのだ。『古事記』を扱った番組の中でも『古事記』『日本書記』の神話と西欧ギリシア神話の類似を、そうした広い始点で解説しようとする歴史学者が出ていたが、これまでなかったのは、その中間点にあるアッシリアやアナトリア、イラン・イラク・アラビアなど西アジア・中央アジア・インド神話などとのそれらの共通点まで言及するさらに広い視野のまとまった論考であろう。しかもそれをわかりやすく読ませてくれる学者本になかなか出合えない。それは筆者のような在野の物書きがなんとかしなければならない命題だが、なにしろ世界史の知識に疎いままで、ヒントをもらっても書き始めるまでに長い時間がかかってしまう。まことに愚鈍なことで申し訳ない。
 
 
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次回、考古学的遺物の類似点
 
1 霊魂不滅思想
2 竪穴式住居
3 立石遺跡祭祀
4 鏡信仰
5 鉄器崇拝
6 火葬
7 土盛り型大墳丘墓
8 二輪戦車と車輪埋葬
9 小アジアのガラティア人
10 人頭崇拝
 
 
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遅筆ですが、不定期にこのカテゴリーは更新していきます。
合間に思いついたものを全公開する予定。
 
 
 
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Kawakatu’s HP 渡来と海人http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/
かわかつワールド!なんでも拾い上げ雑記帳
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Kawakatu日本史世界史同時代年表http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/nennpyou.html
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