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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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卑弥呼と継体・飯豊青時代が小池百合子知事交代劇から見えてくる

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『三国志 東夷伝』や『日本書紀』が描き出す先史時代日本の中で、最も面白い劇的政治交代劇を描いているのは三世紀の卑弥呼・トヨ、そして飛鳥時代直前の継体大王登場シーンではないかと思う。いずれも東アジアの政治局面を背景にした激動の日本政治史に歴史書編者は仕上げてある。もちろんそれらは正しい歴史かどうか誰にもわからない。まったくの嘘だったかも知れないが、少なくとも考古学的には似た状況だったことは間違いない。それに比べると一般読者が最も劇的変換だと言っている天武の壬申の乱などは、中国治乱興亡史にのっとって作られた劇場物語・完全虚構・歴史小説だということもできるのである。


かつて古代史の巨人・山尾幸久は継体大王登場劇の時代背景をこう喝破している。

「倭王権を構成する有力者たちは、フト王(ヲヲド王=継体)を推載することによって、彼が代表する族的結合を吸収統合して王権の直接的基盤を一挙に拡大し、伊勢湾から東(東国・関東)への勢力の扶植を容易にし、近江の鉄生産体制を吸収したのである。」(『日本古代王権形成史論』)


弥生末期から古墳~飛鳥までの政治的歴史をざっと説明するなら、この山尾の示唆は天啓に満ちている。


紀元前末~1世紀は筑紫の時代であり、邪馬台国と狗奴国も九州島内で対立していた時代だったと考えられる。しかし大陸が気候悪化で抹香臭くなると、たくさんの逃亡者が日本列島へも逃げ込んできた。その中で、もともと九州南部の海の氏族を使って呉と親しくしてきた狗奴国(大和で言う葛城族政権)は、北部の筑紫へと政治伊範囲を広げようとし、邪馬台国連合と軋轢が生じ始める。これが倭国大乱である。

中国のこれまでの呉か、あるいは新興の魏かで、邪馬台国連合と狗奴国連合はおおもめになったのである。そこへ朝鮮半島からも大量の移住者がやってくるようになる。半島内でも中国の新旧どっちにつくかでもめ始めたからだ。逃げてきたのは最初は任那(と記紀が書いている金官伽耶つまり葛城王国の為政者たち)である。

この葛城連合体は久しく伽耶の鉄を輸入する権利を在地鉱山技術者集団の秦の民らとともに牛耳っていたが、新興国家新羅や北の高句麗の圧力であえなく滅びた。残ったのは百済だけとなった。葛城襲津彦らは、秦の為政者を参謀として連れ、日本の出雲経由で帰ったものの、日本海側は危険で吉備へ南下。そこからより内陸にある大和に移動する。西に河内、東にかつては邪馬台国が移動して王国を形成している大和を葛城山によってわけている地域に拠点をはった。(秦の技術者たちは別に豊前に入った。途中で生き別れたのだろう。その後、彼らは日本中を掘りつくしながら資源を探して力をつけてゆく。為政者は大和から山城へ移ったが、激動政治の裏側で暗殺者として暗躍。信頼を得て行き、中央官僚の地位まで登る。彼らの祭祀形態は今も全国の神社様式に残る。)

やがて半島から九州を経由して仁徳という王族が河内に勢力を持ち始め、五代して雄略が登場。この武力王親分は代々、真ん中にいた葛城・吉備氏勢力を仲介役として、武力ではなく合議で東側の旧邪馬台国王権を吸収しようとした。しかしなかなか埒が明かず、葛城・吉備連合つまりかつての狗奴国王権を皆殺しにしてしまった。こうして飛鳥時代直前には、東側の桜井市あたりの旧態邪馬台国連合体は戦々恐々とすることになる。

大和の主力合議氏族だった物部氏、大伴氏、和邇氏、尾張・海部氏らは一計を案じ、河内王権に立ち向かえる抵抗勢力を探し始める。そこで白羽の矢が立ったのが、近江・越前を中心に、製鉄と貿易で一大勢力を持つに至っていた息長・三尾という渡来連合体である。その頭領がヲヲドである。大和政権は彼を招聘し、紀伊という葛城山の南に隠棲させ、虎視眈々と大王学を教え込む傍ら、あとつぎの乏しい雄略の子供武烈が成長する前に、葛城系の妻を利して、飯豊皇女をつなぎの大王としようと画策。即位させたが、あたかも現代の当選前の小池百合子のように、彼女は主流派河内王権の間で誹謗中傷、風聞のえじきとなり、「青」「梟」つまり「色気でだます傾城おばさん」「夜這い女=ふくろう」とあだ名され女性差別され、女王王権は有名無実化されてしまう。「厚化粧のおばさん」と揶揄された小池はむしろそれが女性票を獲得したけどね。

そこで大和は、苦肉の策でオケ・ヲケという河内王権の別の血脈がいたとしてどこの誰だかもわからない二人の若い王を擁立。これには河内側も「ほんとかな?」と疑いながらも河内王権正統だったら一旦は認めないわけにはいかない。そうこうするうちにどうしようもないわがまま王となった武烈(とは言いながら三代将軍家光程度のやんちゃ小僧だろうが。史書は負けた奴らは悪く書く)が成長。

ここで河内政権は一気に武烈による旧態河内王権の地盤固めに入る。最大の作戦は、前方後円墳という邪馬台国伝統の墓制の取り込みである。しかもオリジナルより巨大にして対外的には自分たちが倭大王の正統であると見せかけ、大和とは和合体制でいこうとした。国内ではなあなあでも、対外的には河内が大和を従えたと見えるヒエラルキー時代の始まりである。そして最後の決め手に「上奏文」を宋国王へ送りつけ、卑弥呼を真似て属国、家臣であると表明、ついに将軍の地位を得たことで、河内王権はなんでもありの大王家になりえた。(だから始祖応神=八幡神は王権が滅んだあとは祟り神として元の筑紫の宇佐に丁重に祭られたのだ。もちろん応神は創られた始祖王。かあちゃんの神功皇后=息長帯比売も近江・越前氏族正当化のための「卑弥呼」である。)



しかし、大和にはヲヲドという優等生がいた。ひたすら武烈の子供を暗殺し、河内王権の血脈を隠密裏に消してゆくことで、ようやく史上まれなるどの王権とも血脈を通じぬであろう大王が誕生する。これが世に言う継体大王である。

運のいいことに河内王権と癒着して利権をせしめてきた筑紫君同盟がこれに反旗を翻した。同時に連携していた東国連合も不満をつのらせる。継体はこれら旧態王家までも攻め滅ぼしてゆく。邪馬台国同盟はあわてた。邪馬台国・狗奴国の本家である九州や、その連合国だった北関東諸国まで滅ぼしてしまったら、すべてが継体によってのっとられてしまう。それでは邪馬台国旧態連合の既得権益には意味がなくなる。大和は飼い犬に手をかまれた状態になってしまった。

こうして、継体の二人の子供は、旧邪馬台国・旧狗奴国・河内王権の意志が合致して擁立された、やがて飛鳥時代を創り出すことになる欽明大王と、旧仲介役だった葛城の末裔を名乗る蘇我稲目によって暗殺され、再び政権は旧狗奴国体制へと変化した。
いわゆる世に言う飛鳥時代の到来である。飛鳥時代は古墳時代と奈良時代をつなぎつつも、実はこのようにヘテラルキーからヒエラルキーへと倭国を大転換させる一大変換機であり、古代史の中の明治維新に匹敵する日本初の朝廷形成期=中世へのかけはしとなる時代だった。これが山尾らが言う二朝並立どころか三位一体、四位一体の倭王権・大和朝廷の始まりである。山尾の見方は少し甘かった。あの激動時代はこれほど複雑な並立期なのである!

これを悪しく思っていた旧邪馬台国勢力は、次に中大兄(葛城王)を再び育て始めた。これに目をつけた内部新興派がいた。中臣鎌足である。





この筆者が想定した激動期の流れを、役者を使って書き換えてみよう。

配役
卑弥呼・・・・小池百合子
雄略大王・・・石原慎太郎元知事(最初歓迎され人徳あるとされあとでこきおろされる役どころ)
葛城襲津彦・・内田茂前都議会議長
飯豊青皇女・・小池百合子(一人三役)
継体大王・・・小池百合子
物部尾興・大伴金村・・・小泉純一郎・細川護熙(中央も都議会自民党もぶっ壊す役どころ)
武烈大王・・・舛添 要一前知事(はちゃめちゃの悪漢勘違い大王)
清寧大王・・・猪瀬直樹元知事(地味で存在感がない人)
蘇我稲目・馬子・・・誰になるんでしょう?未来の話
聖徳太子・・・・・・同じく
ヲケ・オケ(仁賢・顕宗天皇)・・・『日本書紀』の作り話なので配役なし。いたら得現代議会ももっと面白くなるが。




これで小説、誰か書かないか?

どや?






歴史の交代劇は常に同じことの繰り返しである。これは世界的なことだ。政治世界には必ず守旧派とラジカル派があり、また既得権益にまとわりつこうとする旧態主流派とそれに眉をひそめて転覆を狙う抵抗勢力があるものだ。

都庁の役人、国の官僚にも、あるいは議員の中にも、旧来のやり方、腐敗、癒着をひっくりかえしたいまっとうな正義派がいるものである。

ことあれば彼らは政権交代を望んでいる。だからそこに「ちくり」が発生する。

要するに、自浄作用である。

今回、小池百合子に都知事になって欲しい都庁マイノリティ正義派がいた。それが選挙前に自民・民進党候補を予測し、前もって豊洲問題をリークした。これを受けてよしとたったのが小池と鳥越ではあるまいか?一方、中央自民党内では、このことを都議会内田らから知り、絶対に小池に当選されては困るとの意見が大勢を占めた。 

しかし、世論と都庁内正義派らの動きで圧倒的に小池は圧勝。そのとたんに内田は議長を降りている。

その前から、石原は都内の主流派の癒着や腐敗に見切りをつけ、三期出馬をやりたくないと渋り始めた。いずれその悪政癒着が明るみに出たとき、責任を問われたくなかった。だが、内田らは悪政にも目をつぶってくれてきた石原を是が非でも擁立したい。結局石原の3期目は登庁すらしたくない日々となり、政治を副知事猪瀬に丸投げ。猪瀬はめんくらい、しろうとの悲しさで板ばさみになり、政治団体からの献金を見逃してしまうミスを犯した。こうして正義派は今度こそと元厚生大臣の升添を担ぎ出す。ところがあにはからんや、これがどうしようないことに、なったとたんに旧態腐敗金権世界に泥まみれしはじめた。正義派はついに行き詰った。

ここで思い出したのが石原提言を入れて取り掛かっていた豊洲地下空洞部分だった。「どうしよう?あそこ」
「予算がない。もう石原のせいにして、そのままに放っておこう」
「しかし、それでは都民に対する裏切りになるぞ?」
「かまわん。むしろそれが発覚するように、次期都知事候補にリークして、直前に頓挫させることで、内田らの内部告発にしてしまう」
「それしかないか。俺たちも詰め腹を切るしかないな。覚悟しよう」
「それこそが役人の最後の抵抗というものだ。武士は切腹だ」
「狙うは共倒れだ!」
「小役人にも小役人の美学がある!!」
「正義だっ!!」
「おーーーーーーーーーー!!!!」
「あの~~~石田純一はどうします?」
「知名度だけじゃあ世間はもう動かんようだし、捨てよう」
「OOOOO===========!!!!英断」



こうして小池は戦略を得た。
水を得た魚のように正義の使者に変身できた。
こうして小池は卑弥呼になった。

あとは次々に前政権の隠匿した部分を順番に小出ししていけば、政界の女王になれるはず。だが好事魔多し、守旧派の暗躍に刺されぬようにね。







いよいよ豊洲移転直前、謎の空洞はパンドラの箱となって世論の目の前に突き出された。さあ、どうする都議会、守旧派?石原?


小池は賢い。
新党ではなく塾を作るとした。
新党を作ればすぐに既成政党から、不満分子が引っ越してくる。例えば辞意を表明した民進党江田とか耳だけよく効く松野とか、いわゆる「大臣に早くつきたい」だけの変節の徒たちね。
民進党は野田が幹事長になっただけでもう分裂しはじめた。あそこには戦略やビジョンがない。ただの無為徒食の、大臣願望人種の巣窟なのだろうか?


橋元は小池につくのか?
政策とビジョンにずれがある。


小池百合子はこれからどう変貌するだろうか?



てな具合。どう?こういう空想話。
まだまだ死ねませんよ。
北朝鮮の次の核実験もあるし、それに対してアメリカ新大統領となるだろうトランプの二枚舌の攻防も見たいしね。

あとEU崩壊し、欧州中心主義が解体してゆくのを中国もせせら笑いつつ、自分の足元に火がついているというのも面白いし。習さんのあと、中国共産党がどこへ向かうかも楽しみ。欧州型既成正義観念に迎合しない独自路線は、東アジア人としてはどうなるかが楽しみ。
それらが交代しながら歴史は進む、歴史は繰り返され、正邪も入れ替わる。そうしてあと数千年が続き、ようやく人類は、地球はひとつになれることだろう。長い目で見ればそべての歴史はそこへ向かうための捨石である。しかし、そのころ人類は果たして生存できる環境にあるだろうか?実はもっと大きな神の目線の政権交代も、今まさに進んでいる。人類はいつまで生きてゆくのか?ねずみやごきぶりか、はたまたまったく新しい種に政権を譲るのか?


ああ、俺はタイムトンネルが欲しくなった。






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