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「活断層という視点では安全な原発は玄海のみ」渡辺満久


筆者は古代史の謎解きを最大目的としてこのブログを書いている。けれど、そのための専門知識を求めて本を読み漁っていると、それとはかけ離れてはいるものの、どうしてもメモっておかねばという記事に突き当たる。

考古学とは人間の過去の行動そのものである。当然、歴史もそうである(文献はうそも書いているが)。だから古代史を知りたければ、人間の災害史も知る必要がある。そうすると環境の本を探すわけである。するとそれは文系ではなく理系の専門書であることになる。

鉄の歴史を知るときは、図書館の鉱物の棚へ、製鉄なら工業の棚へ、銅鏡や鉄剣の成り立ちから調べるにはそういう場所へ、過去の気象変動と人間のかかわりを知りたいなら気象学から環境考古学から、それこそ人類学まで、ありとあらゆる数、種類の著書を読み漁らねばなかなかヒントには行き着かない。そういう中で災害史の中の大地震についての本を読むこともある。すると最近、そこに活断層学・変動地形学という新分野を知ることとなった。


だから、筆者はこれから、地震が人間に与えてきた影響を知りたいだけの理由で、現代の原発と地震、活断層という関連性について書きたいのではないということは覚えておいていただきたい。当たってしまった新知識を無視できないから書くのである。しかしそれは古代史研究の決して本筋ではない。









「筆者が知る限り、活断層に係る問題が指摘できない原子力施設は、佐賀県の玄海原子力発電所だけであるように思われる。その他の施設に関しては、活断層の無視や値切りの状態にあり、発生すると予想される地震規模が正しく想定されていないと考えている。」地理学者、活断層・変動地形学 原子力規制委員会大飯原発調査外部調査委員・渡辺満久
(『土地の「未来」は地形でわかる』日経BP社 2014)



新潟県出身
1956年生まれ
東京大学理学部卒業
東京大学大学院理学系研究科地理学専攻博士課程修了
「東北日本の火山フロント沿いにおける、活断層・火山の相補的分布と低地帯の分化様式」により、東京大学より理学博士を取得。

活断層の働きによって形成される変動地形について、トレンチ調査テフロクロノロジーの手法(火山灰の分析による年代の特定法)などを用いた野外調査の成果とコンピュータ上の数値実験を交えた研究を行なっている[2]。国内外各地における活断層に関係したトレンチ調査に数多く関わっている[8]
1995年阪神・淡路大震災以降、活断層の専門家としてメディアに登場するようになった[9]
2008年に、日本地球惑星関連連合大会における学会発表で、青森県六ヶ所村日本原燃諸施設の直下に活断層が存在する可能性を指摘し[7]、現地説明会も行なった[10]、日本原燃は自社のウェブサイト上に、渡辺の所説への反論文を掲出した[11]
2009年に、「原子力関連施設周辺における活断層評価への疑問」を『科学』誌上に発表し、原子力発電所の立地と活断層のリスクについて問題提起を行なった[12]
2012年10月には、原子力規制委員会が11月に実施する関西電力大飯原発の現地調査に外部専門家として参加することが発表された[13]。」



先日地理学と地理の違いについて書いたのは、この人を理解するためである。
この人はいわゆる理系オンリーの地震学者でも、地質学者でもなく、地理学・・・それも文系の人文地理学に身をおく理系学者である。理学部を卒業しながら、諸事情で文系地理学へ進んだ、いい意味で変わり者?である。しかしやっていることは変動地形学という、分析そのものは極めて理科系学問。そこから導き出す視点は人文科学的な地表と災害の関係という、クロスオーバー学者である。ここが理系オンリーで固められてきた以前の安全審議会から編成しなおされた規制委員会が必要として認めている部分ではあろう。しかし、逆に言えば、彼は体制側へ取り込まれた=黙らされたとも見て取れる気もする。しかしその二年後にこの著作を書いているので、中に入ってなお、やはり規制委員会もまた旧態依然であると考えるつわものであるとも見られる。


詳しい論はまずここに公表されている。
原子力関連施設周辺における活断層評価への疑問



あとは難しいことは書かずに、ネット上にあるよい地震関連のサイトから原発関連施設の活断層図だけを貼っておきたい。筆者は何も言うつもりはない。考えてください。安全審議会と国がいかに国民の信頼を裏切って活断層を矮小化してきたかを知っておいてください。



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イメージ 1
玄海原発以外は、すべてがその真下あるいはすぐそばの地下に、危険な活断層を持っている。そして3・11以前まで、国はそれを小さいものと発表して国民をだまそうとしてきたということらしい。




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イメージ 2
黒線は渡辺が調査して拡大修正された活断層。以前はこの半分ほどだった








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イメージ 8
青森下北半島には再処理場、中間貯蔵施設があり、これからさらに新しい二箇所の原発が置かれる予定である。
真横に大陸棚外縁断層と六ヶ所断層がある。






「原子力規制委員会は張子の虎か」同氏著書最終章より




歴史で語るなら、政治は民衆の安全よりも経済を優先する機能組織であるとなる。





古代も今も変わらない。
人類はやはりいないほうが地球という神は喜ぶ。
いや、神のゲームのためにバカなサルをおつくりになった。
ということになるか。
神を信じることのばかばかしさがそこにはあふれている。
それでも人は神を信じる。
信じるしかほかにすべがないからだ。

























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