Last Universal Common Ancestor (LUCA)=全生物の最終共通祖先
プロゲノート:遺伝子型と表現型の対応関係の成立していない生物
コモノート:環状のDNAを持つ遺伝の仕組みが成立している生物
センアンセスター:上記二つとは異なり、各遺伝子の系統樹分岐パターンの違いを含めた曖昧な共通祖先を意味する概念的な生物
などが現在認識されている。
プロゲノート:遺伝子型と表現型の対応関係の成立していない生物
コモノート:環状のDNAを持つ遺伝の仕組みが成立している生物
センアンセスター:上記二つとは異なり、各遺伝子の系統樹分岐パターンの違いを含めた曖昧な共通祖先を意味する概念的な生物
などが現在認識されている。
それぞれ生きていた世代を異にするとも言われるが、それぞれの世代の共通祖先である。ここではわれわれすべての生物の祖先とされるLUCAを扱う。Wiki共通祖先はLUCAを扱っていないゆえ。
LUCAとされる生物は小さな細菌類で、決して地球最初の生物というわけではない。LUCAが生まれたときには、地球誕生からすでに5億年ほどの月日がたっており、それまでにほかの先輩細菌たちはすでに生まれているが、すべて死滅した。LUCAだけが子孫を残せたのは、DNAを持っていたためである。このDNAがわれわれすべてのその後の後輩たちに受け継がれた。だからLUCAは最終共通祖先のことである。(更科功2016)
なぜ生命が地球に生まれたかのノウハウは、実はいまだにわかっていない。古い仮説では、海の潮溜まりで濃縮された海水が、かみなりの電気を受けるとアミノ酸に変化したという、かつてはもてはやされたもの(ミラーの仮説)があるが、今は、アミノ酸そのものが宇宙から隕石に乗ってきたなどもあり、そもそもひとつのアミノ酸からだけではたんぱく質が生まれないということがわかっている。
ミラーのアミノ酸生成装置
ミラーは実験気体にメタン、アンモニア、水蒸気、水素を使ったが、初期の地球の大気は、ほとんどが水蒸気と二酸化炭素、それにわずかに窒素は含まれていたが、ミラーの使った気体は酸素還元物ではない。単独の物質が材料では、なかなかそれが偶然全部集まること自体難しいことになる。ミラーが作り出したアミノ酸はグリシン、アラニン、アスパラギン酸の三種類ほどだったが、当時はそれは奇跡的だといわれ、多くの学者も真似をして同じ結果を得る。しかし上記異論が主流となり、こうして生命が浅い海から生まれるという説は消えていった。筆者が中学生の頃読んだ本から得ていたミラーの実験と説は知識はだから一旦、脳裏から抹消せねばならなかった。
今は、生命は地下で生まれた、あるいは特に、海底火山の噴出す炭化した二酸化炭素のそばで生まれたなどの仮説が有力である。いわゆる熱水噴出孔である。よくテレビでアメリカの海洋探査潜水艦アルビン号の探検で、チューブワームとかシロウリガイとか、シンカイヒバリガイのような、特殊な生物のいくつかを見た人もいることだろう。色素や目がない真っ白いカニや海老。あれがいる場所である。英語ではブラックスモーカーと呼ばれる熱水噴出孔である。あるいはもう少しゆるやかな場所、ロスト・シティと呼ばれる噴出孔が最近では、生命誕生の最適地ではないかとされている。
DNAを持つためには生物はたんぱく質を持つ必要がある。そのために複数のアミノ酸が最初に必要。そういう場所として火山からの熱水噴出孔付近は最適だと言う。詳細は非常に難しいからここでは省く。とにかくそういう酸素が少ない、二酸化炭素の多い場所でLUCAが生まれたとすれば、彼がDNAを持つに至った説明がしやすくなるらしい。
しかし熱水の中はすごく高温。となるLUCAたちは、高温適正能力を持っていたことになる。これを好熱菌と呼んでいる。100度以上の高温でも生きられる生物。もちろんそういう細菌はちゃんといる。そして同時に、彼らは非常に冷却にも強かったのではないかとも筆者は思う。そうでないと何度もの全球凍結は生き残れない。そういう細菌は温泉の中でも生きられる。それで細菌学者はよく温泉地にいる。
グリーンランドのイスアという場所の、38億年前の地層から細菌が見つかっている。それが最古の地球生物である。硫黄の同位体が軽いために硫酸還元菌だと推定された。その地層はかつての深海であり、熱水噴出孔だった。深海には太陽光が届かないから、光合成ができない。そこで生き抜くには化学物質からエネルギーを取り出すために化学合成をしなければならない。熱水噴出孔から噴出しているのは硫酸や硫黄である。だから硫酸還元菌(化学合成細菌でもある)には理にかなった誕生地だったという。
どうやらわれわれの祖先は、そういう劣悪な環境から生まれたらしい。金属を含んだ硫酸の海の中で。
参考文献
更科功『宇宙からいかにヒトは生まれたか』新潮選書 2016
酒井 均『地球と生命の起源』講談社ブルーバックス(1999)
丸山茂徳・磯崎行雄『生命と地球の歴史』岩波新書(1998)
大島泰郎『生命は熱水から始まった』東京化学同人(1995)
長沼 毅『深海生物学への招待』NHKブックス(1996)
更科功『宇宙からいかにヒトは生まれたか』新潮選書 2016
酒井 均『地球と生命の起源』講談社ブルーバックス(1999)
丸山茂徳・磯崎行雄『生命と地球の歴史』岩波新書(1998)
大島泰郎『生命は熱水から始まった』東京化学同人(1995)
長沼 毅『深海生物学への招待』NHKブックス(1996)
参考サイト 生命は海底の熱水噴出孔から生まれた?文:長沼 毅
http://home.hiroshima-u.ac.jp/hubol/biosphere/deepsea/hydrothermal.htm
LUCA 全生物最終共通祖先
https://matome.naver.jp/odai/2146995344296005001
http://home.hiroshima-u.ac.jp/hubol/biosphere/deepsea/hydrothermal.htm
LUCA 全生物最終共通祖先
https://matome.naver.jp/odai/2146995344296005001
生物史から自然の摂理を読み解く
熱水噴出孔生物画像
Wiki好熱菌