蘇莫者関連で過去記事再掲載。
隠れ蓑というのがよく民話などに出てくる。
正確には笠もつくので「隠れ蓑笠」である。
本来は鬼、霊魂、神が着る着衣を、たまたまそれを拾った人間の主人公が、まとうと、見えなくなる。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

斉明天皇、筑紫朝倉宮崩御の際、このような鬼が出現した。
しかし隠れ蓑笠とは、あくまでも神霊のための着衣で、神霊の側から言うならば、おのれの姿を人間に対して顕現するために用いる道具なのである。
つまり「隠れ蓑」とは人間の側からその道具を呼んだ言葉であり、神霊側から言うならばそれは「見せ蓑笠」なのである。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

日本各地でこのような装束を用いる祭りがある。
つまり彼らは蓑笠を着ることで、自分が神・鬼であることを示しているのである。
なまはげもそうだが、こういう祭りを「儺 な」と呼ぶのは中国少数民族のあいだの「マンガオ」(ミャオ)とか「マオグス」(トウチャ)といった毛むくじゃらの来訪神に始まっている。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

※最近、マンガオはマング=蛇であろうと気がついた。蛇をマングイ、マング、マンガオなどと呼ぶのは広く中央アジア~東アジア、さらには沖縄はマブで、やはり「マン=霊魂・神様」で共通する。マンには満、つまり丸い形状というアジア共通観念がありそうだ。とぐろを巻いた姿からか。日本では縄にみたてて口縄、なが虫などと呼ぶ地域もある。長い浜辺を縄ともいう。おきなわも、そういう長い島からきたか?とぐろを巻く姿は「三輪」と呼ぶ。いずれにせよ苗族らにとって蛇はマンだったらしいが、インドではナーガである。民俗学の吉野はナーガ、かがち、などをみな蛇と考え、筆者は河岸段丘や台地の尾も蛇であると見ている。崖を蛇に見る地域もあったようだ。
これもまた長江文明人と日本人の共通性を示す民俗学的証拠品である。
稲作とともにやってきた。