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和歌の名人氏族と敗北の構図

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和歌・短歌と言えば古代史の花。
その中で特に心に残る達人たちがいるが・・・。
 
柿本人麻呂
大伴家持
紀貫之・友則
菅原道真公
小野小町一家
 
などなど。
 
 
よく考えてみれば彼らの先祖がことごとく「やられた氏族」である。
 
小野氏と柿本氏はともに1~3世紀のヤマトの豪族和邇氏から出ているが、和邇氏は邪馬台国の中心事物でありながら、やがて歴史の影から消え、主体部は近江湖西へ移動した。
 
紀氏は、かつては倭五王の宰相・葛城氏の一角で、半島新羅を押さえつけてきた名族だった。しかし貫之は左遷された。
 
大伴氏もまた西の雄族と呼ばれ、弓の氏族で朝廷の宰相である大連の地位にあったが、筑紫磐井の乱以後、半島経営に失敗し蘇我氏に実権を奪われた。
 
菅原氏は出雲の古墳土木工人・土師氏という低い身分から出世して藤原氏をおびやかす存在になるが、うらみを買って左遷され、大宰府で野たれ死ぬ。
 
みな、遺恨を持った氏族ばかりである。
 
 
さらに、万葉集で最も和歌排出の多い東国・関東の名もなき人々もまた、東へ追いやられた各種の氏族の集積した地域だった。
 
 
このように、文学を作り出した背景に、どうしたわけか朝廷権力への因縁や遺恨が見え隠れする。
百人一首なども、編者だった大伴氏の怨念が寄り集まってのものだったとも言われている。
 
 
人間は面白い。
遺恨・怨念・復活への呪というものが、突き動かすように作歌活動をうながした。
それは埒外の地方に多い偽書とも通じている。
 
 
芸術の裏側には、このようなダークサイドからの妄執が存在する。
ものを書くこと、詩を書くこと、歌をうたいはじめること、などには、なんらかの強い妄執が必要だと言う事かも知れない。
 
小町の妄執は能の世界ではついに安達ヶ原の山姥として人骨を食らうところまでいかされている。
怖ろしきは、人の怨念。されど達人のきわみの技ならんや。
 
あな怖ろしや。
 
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