青森県大平元山I遺跡出土 日本最古の縄文土器片。
「縄文時代の始まり」あるいは「最古段階の土器」の研究は 1950 年代以降,14C 年代測定と古環境研究の進展と常に密接に絡みながら進んできた。そこで本論では,これらが更新世 / 完新世(洪積世/沖積世),氷期/後氷期の境界,あるいは晩氷期と,どのように対比されてきたのかに注目して,戦前から現在までの研究の流れを整理した。縄文時代の始まりは沖積世の海進のピーク以後というのが戦前の一般的な地質時代観であったが,それが大きく変わる画期となったのが撚糸文土器の発見と夏島貝塚の 14C 年代測定であった。9,000 年前を遡る土器と後氷期の開始が結び付けられ,考古学界には「後氷期適応論」が普及した。1963・1966 年に公表された福井洞窟や上黒岩岩陰の 14C年代は 12,000 年代まで遡り,氷期 / 後氷期の境界として認識されていた 1 万年前を超え,最古の土器を縄文時代から切り離す時代区分が提案されるきっかけとなるとともに,土器の出現と晩氷期との対比も始まった。1990 年代になると,グリーンランド氷床コアなどの高精度の古環境研究が公開され,較正曲線 IntCal93 によって土器の出現が 15,000 年前まで遡る可能性が示されたが,」
「決定的な画期となったのは 1999年に公表された大平山元I遺跡の較正年代であった。土器の出現が16,000 年代まで遡るとともに,晩氷期を突き抜けて最終氷期の寒冷な環境下で土器が使用され始めたことが判明し,「土器出現の歴史的意義」と時代区分の画期としての土器の出現についても再検討が行われはじめた。2000 年「佐倉宣言」以降は較正年代の理解とその使用が普及し縄文時代の始まりの年代と古環境との詳細な対比が行われるようになり,時代区分の再検討も進みつつある。」
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炭素14年代測定法にはひとつ欠点があって、その分析の対象は必ず有機物でなければならないことであることは諸氏ご存知と思う。その遺物にくっついている米粒とか野菜とか種子からの炭素でなければ意味がないのである。
なぜ?
前のネアンデルタール壁画記事にも書いたことと重複するが、土器なら土器の素材である土は、当時の人間が大地から切り取ってきて使われる。するともともとの土そのものが最初から何万年も前の土だった場合が当然あるはずだ。だからその土をいくら調べても、土器そのものが作られた年代などわかるはずがないのである。
そこへゆくとウラン・トリウム法では・・・、
「ウラン-トリウム法(Uranium-thorium dating)は、年代測定の方法である。堆積物中の230Thは半減期7.5万年で減少していくので、230Thと232Thの比率を測定する事で堆積速度を見積もる事ができる[1]。」Wikiウラン・トリウム法
それは大変素晴らしいのだが・・・
そもそもこの測定法は、遺物の分析よりも
つまり人工物である考古遺物や壁画よりも、もっと大きい地球の地質学で使うための測定法。
もしそれで壁画や土器を測定して「土の年代が判明しても」、それは遺物の制作年代に比定できないのである。そこ、C14 と同じく、人がいつ作ったかを知る上ではやや「取り扱い注意」な数値資料だということをたまに忘れている方がいるようだ。
地質の年代や土の年代=遺物製作年代ではないということ。
人間はいろんな行動をする。もし作った土偶を、何メートルも掘って埋めたら、伊万年も単位が変わることもあるのが考古学の危険性。つまり科学だって、人間の行動を推理してからじゃないと数値は決められないのである。
往々にして、そういうところがわかってないんじゃないかという好事家を見る。ご注意。