今日の夕刻、作詞家の松本隆がBS「関口宏の人生の詩」に出ていて、ちょろっと見たら、いろいろしゃべっていて、青山の生まれだと申されていた。で、青山には洋館が多いとなって、すかさず松本は「江戸川乱歩の少年探偵団シリーズで、怪人二十面相が住んでいた設定になってた洋館」
関口「そこで今しゃべってもらってますがね」
松本「そうですよね。すごいなあ」
みたいな話があって・・・。
ぼくも子供時代、少年探偵団シリーを愛読して、江戸川乱歩の設定する「洋館」「ニコライ堂」「時計台」なんぞに、いたく心酔し、どんなところなのだろう・・・などと想像をたくましゅうしていた頃があったので、共感してしまった。
nikoraidou
長じて、何度か青山には行ったわけだが、なぜかそういうことを思い出したりがなかった。リアルな歩きと、少年時代の思い出がそのときリンクしなかったのは、どうも仕事だったからだろう。
で、今になって、それを他者から聞くことで、かえってまざまざと、原宿駅から表参道を歩き、キディランドやらに寄りながら青山から渋谷へ向ってた、若い頃が脳裏にリアルに浮かんだのだ。
原宿は、季節も秋で、いたくウェットな景色で、 ぼくもまだ二十代の、大坂のファッション雑貨に勤めていた、ばりばりで、せいぜいおしゃれしたつもりのベルベットの上下と茶のバックスキンの靴なんかで決め込み、 表参道からアマンド(まだあるのかな?)の角を曲がって三愛の・・・なんたら・・・ベル・・・??なんたらに立ち寄って、渋谷まで・・・。それからまた五反田のサンリオ「いちごの王国」だったっけ?まで戻って・・・なんかしたりは仕事上の必要からだったな。
はっぴいえんど「風街ろまん」、聞きたくなったな。あなたはどうですか?
作詞 松本隆
風街・・・
松本は子供の頃から宮沢賢治の愛読者だったそうで、「風」というキーワードに憧れ、青山を風街と呼んでいたらしい。
表参道原宿は
懐かしすぎる友だちと
人に言えない苦しみすら
風が運んでくれる街・・・
たくろう
そうなんだ。
だから田舎育ちのぼくでも、あのとき風のようにあの街を・・・
もう戻れないんだよな。
あの時代に。