Quantcast
Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1881

小松は「高麗津」 司馬遼太郎/広島県安芸四隅突出墳墓の派生地

$
0
0
 
イメージ 4
 
 
「小松(北小松)」
という古い漁港がある。
日本に小松という地名が無数にあるが、周防大島の漁港小松が高麗津(こまつ)であったように、ここもあるいは高麗津だったのかもしれない。この漁村を通り過ごそうとしてふと自然石を組んだ波ふせぎが古い民芸品をみるように鄙寂(ひなさ)びているのに気づき、降りて浜へ出てみた。
司馬遼太郎『街道をゆく』湖西のみち  楽浪(さざなみ)の志賀
この話を読んで、すぐ思い出したのが薩摩藩の小松帯刀(こまつ・たてわき)の名前だった。
鹿児島には中国系、朝鮮系移民が多いのだ。焼き物集団が秀吉出兵でつれて帰られた。これも工人である。
 
さらに重機企業の「コマツ」を思い出し、さらにSF作家の小松左京、最後に博多出身の小松政夫の「どうしてどうして」が出てきた。芸能、作家、技術者・・・である。
 
「広い意味の三国地方の東北――ただし現在は石川県になっていますが――に小松市があります。古くは「江沼」といわれていました。
森浩一「継体王朝と百済」
 
 


 
 
もういちど地図を。
 
イメージ 1
 
 
今、江沼(現在の小松市)は、韓半島の前方後円墳地帯とヤマトを結ぶ日本海側の港として非常に重視されるようになった。小松市の古墳から出た円筒埴輪の作り方が、光州市月桂洞(ウォルゲドン)古墳の円筒形土器とうりふたつなのだ。
 
この近くに額見町と書いて「ぬかみ」まちがある。例の「額田女王」の「ぬか」である。
 
ここから朝鮮式のオンドル遺構が出ている。
オンドルは床下暖房施設で朝鮮独特のもの。
 
また河田山古墳の切石造りは百済様式そっくりである。
 
 
「ぬか」が額田で、鉱山用語であることはすでに書いた。
糠の粒子を砂鉄、砂金に見立てた隠語である。
それを氏姓にしたり地名にしているのは、そこが半島工人によって鉱山開発されたあかしである。
 
高麗(こま)という表現は、文献では概して特定の高句麗に限られた用法をされていない。広く半島諸国をさすことが多い。いわゆる呉(くれ)とか唐(から)の使用法と同じで、外国という程度のものだった。
 
馬のことを駒ともいうのは、騎馬風習がそこから来たからであろう。夫余族は騎馬民族を祖先とする。騎馬民族とは見場遊牧民・・・要するにスキタイに始まる西アジアキルギスあたりの人種を元にし、匈奴や蒙古の血脈である。当然、白人の血もまじっているので、背も高いだろう。知っている日本人でいうなら、サッカー日本代表選手だったトゥーリオのような顔つきが近いか。
 
 
「ぬか」という名前を持つ女性が息長氏に嫁入りしている。
葛城高額姫。
神功皇后・息長帯姫の母親である。
 
イメージ 2
 
見ての通り彼女は新羅王子アメノヒボコの子孫である。
なのに葛城とついているのは、おそらく出雲葛城氏をメノトにしたかと思える。
しかし系譜にまったく葛城のにおいがない。
母親は菅竈由良度美(すがかま・ゆらどみ)という意味不明の女性らしい。
 
「すがかま」は「す・かま」で、かまど・釜・窯である。
全国に「すかま」「しかま」地名があり、これは鍛冶地名になる。
つまりこの女性は器物を名前にした架空の人物なので、葛城高額姫も架空、その娘の神功皇后も架空である。
 
アメノヒボコは『播磨国風土記」では、出雲に攻め込んで大国主とすったもんだする。出雲のことをなぜか播磨の風土記が書いた。つまり播磨にも出雲との交流があった、共同体だったということになる。
 
先日、広島県の東北部、安芸高田市で出雲型の四隅突出型墳墓が出たニュースがあった。山の中腹という珍しい場所からであった。その高田のおとなりが安芸太田市である。太田地名が鉱山地名であることはすでに書いた。そもそも四隅突出型墳墓の派生地は広島東部・・・旧備後である。備後の西のはじっこは、松の名産地で、マツタケの名産地だったこともある。このアカマツは実は炭の材料である。最初はしまなみの海人族が藻塩を焼き、やがて海人族の製鉄にも使われた。それは宮城の松島と塩竃(しおがま)の関係と同じである。
 
「あき」は出雲の安来(やすき)の音読みになる。
 

さて、息長系譜ではあれほど天皇家にとって重要な母方として描かれる息長氏は、そもそも文献上、ほとんど現れてこない奇妙な氏族である。実は彼らを持ち上げたかったのは、母親が息長系の鏡王女であった藤原不比等だけだったのではないか?
 
それはまた次回に持ち越すことにしよう。楽しみはあとへまわしたほうがいい。
 
 
イメージ 3
Kawakatu’s HP マジカルミステリーコレクション渡来と海人http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/
画像が送れる掲示板http://8912.teacup.com/kawakatu/bbs/
Kawakatu日本史世界史同時代年表http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/nennpyou.html
民族学伝承ひろいあげ辞典http://blogs.yahoo.co.jp/kawakatu_1205/MYBLOG/yblog.html/
Kawakatuワールドなんでも拾い上げ雑記帳http://blogs.yahoo.co.jp/hgnicolboy/MYBLOG/yblog.html/

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1881

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>