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半夏生とサバ/祇園囃子とスサノヲと

 
昨日七月二日は半夏生だった。
 
 
半夏生(はんげしょう)
「農家にとっては大事な節目の日で、この日までに農作業を終え、この日から5日間は休みとする地方もある。この日は天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べてはいけないとされたりした。
 
三重県の熊野地方や志摩地方の沿岸部などでは、ハンゲという妖怪が徘徊するとされ、この時期に農作業を行うことに対する戒めともなっている。
 
奈良県の香芝市周辺では「はげっしょ」と言い、農家では玄米の餅を作り食べた。近畿地方の一部地域では蛸を食べる習慣があり、現在では近畿地方各地の小売店が盛んに販売促進活動を展開している。讃岐の農村ではうどんを食べる習慣があり、1980年に香川県製麺事業協同組合が7月2日を「うどんの日」に制定している。福井県大野市では江戸時代に大野藩藩主がこの時期に農民に焼き鯖を振舞ったという逸話があり、現在も大野市を中心とした地域では半夏生に焼き鯖を食べる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E5%A4%8F%E7%94%9F
 
 
 
夏至から十一日目の頃が、半夏生(読み:はんげしょう)(大野弁:はげっしゅ)
半夏生さばの由来
「昔、大野には越前海岸四ヶ浦の方に領地(飛地)があり、そこで沢山の鯖が採れました。
そこで殿様は、漁村の年貢軽減と、田植えで疲れた農民の栄養補給のため、脂ののった「さば」を
食べるようにと領民達に奨励したとのこと。それ以来、いつの頃からか毎年半夏生には、
焼き鯖を家族全員一人一本づつ食べるようになったとのことです。
そういえば、子供のころは1本(1尾)まるごと食べたような…。
今じゃ無理ですね。」
http://w2462.nsk.ne.jp/~houten/ro22_hagessyusaba.htm
 


 
BGM祇園さんコンチキチン  http://youtu.be/fGy60zW3LJg
 
 
 
夏至からしばらくは梅雨のまんまで、まだまだ真夏とは呼ばない。それで「真夏まで半分くらい」の時期という意味に、ちょうど田植が終る頃なので一休みして養生し、栄養のある魚でも食べて暑い夏にそなえよう・・・ってな意味だろうか。

こちらは福井のような風習はとんと知らない。
たまたま生サバが安かったので買い込んで冷凍していたから、引っ張り出して味噌煮にしたものを昨夜ほうばっていたら、ニュースで「今日は半夏生です。焼きサバを食べましょう」って言っている。
 
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イメージ 1
  サバ味噌煮 By Kawakatu
 

「へえ?そうなの?じゃあ、ちょうどよかったんじゃない」である。

焼きサバじゃないが、食べる前に皮を焼けばいいではないか。
関西でも、九州でも、そうなんだろうか?

サバなんかこの時期食べたかなあ・・・
そうか、福井と言えばサバ街道か。なら京都の町屋では食べるんだろう・・・。
そう思っていたら、耳の中で懐かしいコンチキチンが鳴りはじめた。

「ああ、祇園さんやなあ」
 
それにしても、「サバの生き腐れ」と言われ、足の速い魚として怖がられていたサバを、さすが産地では生を焼いて食すのか。

って、おまえの大分などは刺身で関サバ食べてるじゃないか。と大向こうから声が聞こえてきそう。
しかし、関サバの名前も、刺身も、食べられ始めたのはつい最近の話。もちろん冷凍保存ができなかったころは、ほとんど食べないか、シメサバか、塩サバか、もう焼いてあるのが売っていた。そもそも佐賀関の根つきの魚なんか、まずは鯛が高級魚で話によく聞いていたが、サバのような下魚とされていたものはまず街には売っていなかったのだ。サバもアジも釣って来るか、地元で消費されていた安物である。
 
今時分、親たちが祇園祭のニュースを見ては
「京都の人は可愛そうやなあ。サバなんかありがたがる」
と笑っていた記憶がある。そう言いながら自分たちはイワシ食っていたImage may be NSFW.
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そうか、この風習はある意味肝試しでもあったか?
当たるかもしれない時期に、危ないものをわざわざ食べる・・・違うか。
 
 
半夏生は「はんげしょう」だが、そういえばこの時期に山々に半化粧とも言われるハンカチの木が白い葉をちらちらさせる。あれも「はんけしょう」であるが、意味は違う。おしろいがまばらになったように見えるからだ。
半夏生という草が別にあって、こちらは「片シロ草」(ドクダミ科の薬草)というそうだ。
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%82%B5
 
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イメージ 3
 

かたっぽだけ葉っぱが白いからだろう。
これが咲く頃なので暦の名前に転用されたとも書いてある。
結局、ハンカチの木と同じ意味になってしまいますな。
まあ、塩が回りすぎて半化粧になったような塩サバは困るけどねえ。

夏至というのは太陽が最も長く照って、地球に近くなるので、古代から人の最盛期のたとえにもある。一方、冬至は一番よわる日ということだ。だから縄文人も、冬至には自分の命が弱くなる=死を感じたからお祭したし、夏至は大喜びでこれまた祭りした。ただし、夏至は一番気温が暑くならないし、冬至も一番寒い日ではない。大きくは、まだ地球の大地が太陽で充分熱くならない、冷たくならない日だ。これからが熱くなっていく。地球というカイロの上にわれわれは暮らしているようなもの。
 
太陰暦というものは、道教のデータの源だったから、祭祀・歳時に深く関わっている。アジアでは共通の歳時が行われてきた。しかしそういう考え方は縄文時代からすでにあって、石棒を立てて太陽の光をあてて死者をマツリ、祖霊を招来したのである。

しかし、せっかくの精をつけるためのサバで、福井では死んだりはなかったんだろうか?暑い京都でなら充分ありそうだ。

京都の真夏はやはりハモである。
しゃりっとした淡白な身を、梅酢や蒲焼でいただく。
ああ、もうすぐ祇園祭やなあ・・・。
 
今年も災厄・病害虫・水難・台風・大雨・山遭難などなきよう・・・。
 
 
 
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               すさのをに きうり真横に 切たるを 八坂精舎に供えたり

 

                     かざ窓に 山車の風呂敷 飾りたり
 
 
 
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イメージ 5

 
 
ここらしくない歳時記のお話になった。
 
 
Kawakatu’s HP マジカルミステリーコレクション渡来と海人http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/
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ビデオクリップhttp://www.youtube.com/my_videos?o=U
 
 
 
 
 

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