『日本書紀』には出てこずに『古事記』にだけ高木神という神が出てくる。
別名は高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、『日本書紀』では高皇産霊神と書かれる。
『日本書紀』は高木神がタカミムスヒであるとは書いていない。
書いていないということは『古事記』は中国南部の民間神仙思想の神であった神(檀)樹=宇宙神の思想を取り込み、『日本書紀』はそれを拒否し、改めて道教の宇宙神を取り込もうとしたということになる。
記~紀への再編集の意味はこの政治性の違いにある。
道教の前身である神仙思想では世界を覆いつくす大樹=扶桑の木が高く聳え、その枝のひとつひとつにカラスがとまっており、それが太陽の使者であり、祖霊・生命を運ぶとされてきた。生命樹という発想は実は西欧にもある、世界共通のものである(中国の影響をキリスト教が受けた可能性もある)。
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三星堆遺跡出土神樹
道教は「道」とは宇宙の自然ながらに持っている道理=摂理がこれであるとしている。
大和朝廷ではこの道教を中心にものを考えるので、民間の神仙思想よりも老子の思想に近くなる。
高木とは鷹来、であると考えたのは中世修験道である。鳥の中でもからすより鷹を重視した。それで高木神思想の顕現は英彦山修験道の聖地である英彦山神宮の神であることになった。英彦山修験道の源流は大元の新羅神を祭る香春岳のある豊前田河郡が中心地となり、田河の地名も当初「鷹羽」であった。
鷹見神社というものが全国的に修験の聖地そばに置かれるのもこのためで、高須、高巣など、バリエーションが生まれていく。
さて、英彦山修験道には豊前秦氏の新羅神が大きく関わるわけだが、秦氏と同族であった多氏を自称する阿蘇神社にも高木神は、阿蘇12柱の神に付加して付け加えられた。阿蘇神社は鯰神をシンボルとしたが、鯰が雷神・・・地震かふせの神であり、社の中心にではなく置かれ、これもまた高木神であるとされるのである。
阿蘇12神は12ヶ月を現す十二支を神格化しており、それが神樹の枝の数なのである。つまり神樹=宇宙=四季という暦を現すものであることがわかる。こよみとはすなわち宇宙の摂理の一部である。
したがって『古事記』が高木の神を皇室用に取り込んだタカミムスヒ神は、民間や道教や神仙思想の神であることをわからくしたかったネーミングになっている。これは造化三神すべてがそうである。
宇宙の摂理そのものを示すアメノミナカヌシも、神ムスヒも、宇宙にある三本の柱=時の御柱を神格化したものである。三位一体で宇宙原理を指しているので、これは老荘思想を『日本書紀』が取り込んだあかしである。一方『古事記』は在来の民間にいち早く入っていた神仙思想で留めているので、政治性がまったく違う。『日本書紀』はあきらかに政治的潤色が満ちている書物である。(史書などではない政治理念寓話である)
阿蘇の信仰は、そもそも草部という場所から出てきた日下部氏が奉じた神であり、多氏の源流はここにあった。
阿蘇氏はkぽの多氏=日下部氏=肥人という先住民(熊襲)の持っていた神仙思想の高木の神を吉見系氏族を従わせることで合体した氏族であろう。
したがって日下部氏は靫負部(ゆげいべ)であるので、九州の盆地を守りのために北上し、球磨川~幣立宮~阿蘇~小国~日田へと盆地伝いに北上して、やがて海人系物部氏となって河内の弓削に入るのである。この「ゆげ」とは弓を削る靱編部(ゆぎあみべ)の別名なのである。その舟の同族が尾張氏であり、海部氏である。だから日下部氏が海部氏のそばにあって若狭湾に浦島神社と籠神社が並ぶことになった。
それらの大元が熊襲である。
熊襲は球磨族と曽於族のことでともにくまびとであるが、曽於族はのちに熊襲と区別して隼人と呼ばれるようになった。その隼人こそが海部氏の源流だったと考えられ、そこから葛城氏らも出た。
から筆者独自の意見を書いた。
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