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印南野とため池と秦氏

 
 
 
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播磨平野印南野の麦秋
 
 
 
 
いなみの【印南野】 
「兵庫県南部,明石川,加古川,美囊(みのう)川に囲まれた三角形状の台地で,東西約20km,南北約15kmにわたって広がっている。〈いんなみの〉とも呼び,かつては伊奈美野,稲日野とも書いた。播磨町の大中遺跡ほか弥生時代,古墳時代の遺跡が多い。地形的には海成段丘面で,低位の大久保台地と岩岡,母里,加古の高位台地に区分されるが,台地のまわりを流れる河川と急崖で隔てられているため水利が悪く,近世初期まで開発は行われなかった」
http://kotobank.jp/word/%E5%8D%B0%E5%8D%97%E9%87%8E
 
 

「兵庫県南部の中央に位置する「印南野台地」は、瀬戸内式気候の影響を受け、降水量が少なく水に乏しい地域です。古くから水に悩まされ、さまざまな取り組みのなかで水を得るための技術が発達し、ため池やそれを結ぶ水路等が整備されてきました。東播磨地域で築造されたため池は、県下で最大規模を誇るため池を含めて1,000以上を数え、現在でも約600のため池が残されており、これらのため池群は血管のように張りめぐらされた水路網によって結ばれています。この地域のため池群や水路網は、農業水利施設としての機能に加え、人々との関わりのなかで、周囲の風景にとけ込み、地域独特の景観を形成してきました。人々は、長い歴史のなかでいなみ野の自然との共生を図り、天満大池の満水祈願信仰をはじめ、ため池にまつわる祭事や伝統行事をはぐくみ、まさに、東播磨地域ならではの固有の「ため池文化」を培ってきました。いまもなお、生活様式や生活習慣などさまざまな側面において、その足跡を色濃く残しています。」
http://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/museum/m_siki/52_inami/
 
 
 
 
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ランドサットによる上空から見た印南野のため池群
http://www.maff.go.jp/kinki/seibi/midori/jigyou/kakogawa/photo/nature_l_02.html
 
 
 
 

条里制遺跡と五ヶ井堰
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東播地域における古墳と条理遺構の分布
(兵庫県教育委員会埋蔵文化財資料より作成)
 
「この地方の川沿いでは、古くから稲作が行われてたことが古墳や条里制の跡で知ることが出来ます。この遺構は大化改新以前、すでに条里制による土地の改良が進められていたことを示しています。
 聖徳太子によって造られたとされる日本最古(推古14年(607年)建造)の取水施設五ヶ井。これは加古川下流の中州を利用して堰から水を引いたもので、東岸一帯200haを潤したと伝えられています。このようなかんがいの技術が稲作生産を発展させ、その結果、富の蓄積による巨大な古墳文化がこの平野に築かれていきました。
 さらにこの堰は、室町時代に入ると5つの地域を潤したことから五ヶ井堰と呼ばれるようになり、その頃には700haもの水田を潤すまでに発展していました。そして加古川大堰が完成する1989年までのおよそ1400年もの間利用され続けていました。
 このように、川沿いの低地の地域では川から水を引くことが可能で古くから用水施設が造られましたが、一方、川より高い台地へ水を引くことは当時の技術では不可能だったため、まったく手つかずの状態が続いていました。

未開の印南野台地
 平安時代、この地方の様子を、清少納言は枕草子で次のように歌っています。「野は嵯峨野、さらなり。印南野。交野。狛野……」これは、美しい野原といえば第一に嵯峨野を挙げ、その次に印南野、交野、狛野……がつづくという意味の歌です。「野」とは、人の手が入っていない未開の地であると考えられ、水が乏しいため田畑にされることはなく、まったくといって良いほど放置された草原地帯であったことを物語っています。」
http://suido-ishizue.jp/kokuei/kinki/hyogo/touban/0102.html
 
 
 


 
 
 
条里制以前から存在してきた播磨印南、滝野社のため池群の多さは日本最大の密度。
これらを作った入植者はいわゆる京都葛野からやってきた秦氏の手下の渡来人たちであろうと考えられる。
筆者には滝野社の王子ヶ池や加古川水系はバスフィッシング紀行した思いで深い土地である。
播州平野から高砂、高砂から城之崎へ、何度往復したことだろうか。
 
秦氏を追いかけることになった、筆者の、京都や豊前につぐ原点、原風景である。
どこもよく似た匂いのする渡来人の故郷と言える。
 
また豊後の佐賀関沖の豊後水道速吸瀬戸(はやすなと)と播磨灘の速水瀬戸には共通の、海人族椎根津彦伝説が存在する。

加古川の「かこ」が水夫の古語であることからも、播磨と豊後には大和倭直・倭国造の出身地であった故地としての共通性がある。面白いことであるが、江戸時代の剣豪宮本武蔵が播磨の出身であり、ライバルだった佐々木小次郎は豊前田河の出身であったという。同根の二人が、その中間の巌流島で決戦するとは吉川英治もうまく話を作ったものである。
 
 

播州平野
稲穂をたおやかになびかせながら
秋風が吹き渡っていった

昭和64年、まだ30代の頃、高砂の会社宿泊所にて筆者が作った駄作である。
 
 
 
「印南野(いなみの)は、兵庫県(播磨)の加古川東岸の台地で都と大宰府を結ぶ官道沿いに位置し、万葉集時代からの歌枕。
柿本人麻呂の「印南野を行き過ぎがてに思へれば心恋しき加古の島見ゆ」、山部赤人の「印南野の浅茅押しなべさねる夜のけながくしあれば家し偲はゆ」等十数首がある。神亀3年(726年)には、聖武天皇の御幸。
清少納言は嵯峨野に次ぐ二番目の野として枕草子に記している。但し、実際に行ったとの記録はなく、おそらく風評、万葉集等で形成された彼女の心象風景なのだろう。もともと水利が悪く茅の原野であったが、大小のため池が造られ、江戸時代には、田が開かれた。

月の出や印南野に苗余るらし   永田耕衣
 
「印南野」は耕衣のこの作品で俳枕となったと言っても過言ではない。清少納言ではないが、一度訪ねてみたい魔性のある俳枕としたのも、耕衣の力量だろう。
田植えを終えた静けさとふるさとへの賛歌。少年時代(加古川)、勤労者時代(三菱製紙高砂工場)と、五十五歳で神戸に移るまでこの地ですごした耕衣にとって、「印南野」という母の胎内のいる安らかさが、この句を導いたのであろうか。不仲の両親の母寄りの耕衣には〈朝顔や百たび訪はば母死なむ〉等敬慕に満ち溢れた母の句が多い。文字通り耕衣の「原風景」であり、「印南野」が動かないのもうぶすなの土台があるからだ。
 印南野は花菜曇りの神代から  鈴鹿野風呂
旅吟的なこの句との違いは、明白である。この二句以外に目立った佳句がないことでも、耕衣の句の偉大さがわかる。同じ耕衣の「印南野に初見の鳶や秋の風」との落差も大きい。」
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2008/07/2.html
 
参考文献 故・森浩一先生 『日本の深層文化』
 
 
 野は、嵯峨野さらなり。

印南野。

交野(かたの)。

飛火野(とぶひの)。

しめ野。

春日野。
そうけ野こそ、すずろにおかしけれ・・・・
枕草子「野」
 
 
 
 
 
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ビデオクリップhttp://www.youtube.com/my_videos?o=U
 

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