「講談社学術文庫で、マリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』が発売されている。
この本は、図書館にある古びた中央公論社の世界の名著というシリースでしか読んだことがなかったのだが、このたび、1冊の本として出版された。めでたいことである。文化人類学の不朽の名著なので、簡単に入手できるようになったのはたいへんありがたいことだ。講談社に感謝したい。
この文庫には、解説を中沢新一が書いている。「クラと螺旋?新しい贈与経済のために」というものだ。トロブリアンド諸島出身のジョン・カサイプロヴァという詩人であり作家であった人の語った話について書いている。「空とカタツムリ」という話である。内容は省くが、結論をいうと、クラはかたつむりのように螺旋状に広がり、無限に拡大する円運動である。他方、西洋の経済はリニア=線形であり、広がらない。そういう例えばなしによって、現代の経済を批判し、伝統社会の互酬的な経済を称揚している。」
http://2ch.money03.com/2010/05/post-94.html
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その中沢が紹介している「空とカタツムリ」のお話はこういうものである。
概略
空が自分の広大無辺さに酔いしれていると、眼下のちっぽけなカタツムリがささやいた。
「空さん、あなたは確かに大きく広い。けれどわたしにはもっと大きく広いものを背負っている」
すると空は反省し、「たしかに君の背負っている家は螺旋であり、それはぼくよりも宇宙規模まで永遠に広がっていく空間を形作れる。しかも反対に、ミクロの空間へも向かっている。本当に君にはかなわない」
空が自分の広大無辺さに酔いしれていると、眼下のちっぽけなカタツムリがささやいた。
「空さん、あなたは確かに大きく広い。けれどわたしにはもっと大きく広いものを背負っている」
すると空は反省し、「たしかに君の背負っている家は螺旋であり、それはぼくよりも宇宙規模まで永遠に広がっていく空間を形作れる。しかも反対に、ミクロの空間へも向かっている。本当に君にはかなわない」
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螺旋はミクロとマクロの双方への永遠を同時に表現した図形であり、それを完璧に持っている自然界のものと言えばまずは巻貝しかありえない。
だから縄文の昔から、人々は海岸で食料として得た巻貝の殻を、食べるために割ったとき驚愕した。そこには永遠があったのだ!
カロッサの詩にある「見えた、何が、永遠が」であった。
巻貝の螺旋は一方はマクロの無限な拡大へとねじれつつ広がる空間を内在させ、一方は限りなくミクロへの収束へとねじれ、その奥に見えない暗い後戸(うらど)を内在させている。
片方は宇宙に向かい、片方は超新星のブラックホールのように、分子の世界へ人の目を吸い込む。
そのような形状はそれまで人類には作り出しえず、それまでの永遠の形状であったはずの水面の渦巻きをはじめとするすべての自然の形状を圧倒し、凌駕した。人類はここから位相幾何学を生み出し、人工物としてのネジやバネも作り出せた。経済では、クラという永遠の輪廻を産み出した。
巻貝の渦巻きこそはメビウスの輪やエッシャーへの最短距離にあり、古代人の死生観の大元になった。
だから彼らはその貝殻を蓬莱の宝物だと思った。
それはお金になり、腕飾りとなり、首飾りとなり、実用的なコップとして使われ、ついには弥生人までもがそれを欲し、古墳時代人は、それを運んでくれる海人族が北へ漕ぎ去ると、模造品を金属で作り始めた。
それはお金になり、腕飾りとなり、首飾りとなり、実用的なコップとして使われ、ついには弥生人までもがそれを欲し、古墳時代人は、それを運んでくれる海人族が北へ漕ぎ去ると、模造品を金属で作り始めた。
悠久の時は流れた。
一万年後、人類は再び自らの細胞内に螺旋を見つけて驚愕する。
遺伝子DNA・・・・
古代人が巻貝に見た永遠の生命の復活と輪廻・・・生と死を引き継ぎながら受け渡されてきた種としての「永遠の継続」の姿が、実は私たちの生命の根源に螺旋として元から存在していた。人類は地を這うカタツムリこそが自分であったことにようやく気付いたのである。それが人類の発見と科学の頂点だった。
神はそれさえ気がつけば、あとは凋落と冒涜しか私達が生み出せなくなることを知っていた。
現代、まさに人類は神の予測どおりの冒涜を繰り返す、最下位の生物となった。それが永遠を見た人類と、永遠である神との60万年のゲームだったのだろう。人類は負けたのである。
すでに終った時間を私たちはひた走っている。
螺旋の宇宙をも飲み込むほどのアウター・アドヴェンチャーはもう終っている。わたしたちは今、反対方向の暗黒のブラックホールに向かって、吸い込まれている最中である。頂点にまで達したと気付かぬまま、そして吸い込まれ始めていると気付かぬまま、人類60万年の絶頂期は終了しつつある。
地球と太陽が微笑んでいる。
次はどの生物とゲームしようかと。
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