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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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製鉄とチタン鉄鋼系花崗岩・磁鉄鉱系花崗岩

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ところで、花崗岩には大きく分けて、いわゆるたたら製鉄に使われる砂鉄=磁鉄鉱系花崗岩とチタンを多く含むため磁力がないチタン鉄鋼系花崗岩がある(実際にはもうちょっといろいろある)。
 
 
Ishihara・久城原図による花崗岩の系列別分布図(高橋正樹著書から)
イメージ 1
 
 
ネット上に存在する花崗岩の系列別分布図
イメージ 2
 
 
イメージ 3
 
 
 
これを元に編集したもの
 
イメージ 4
 
一目瞭然、磁鉄鉱系列は日本海側および三陸地方の特色ある花崗岩帯である。
この花崗岩帯から流出した砂鉄は、対馬海流に乗って岩手県に及ぶ。この流れはちょうど「なき砂」の分布域とも合致する。
 
一方チタン系は瀬戸内・中部など中央構造線の泥質地層の北側(山陽側領家帯)に帯状に存在し、泥質片岩の持つ豊富な有機物を起源とする炭質物を含むためか磁気を持っていない。これをもって製鉄するのは大規模な設備が必要になるので、たたら製鉄には向かない。
 
双方を見分ける方法は磁石を近づければよい。チタン鉄鋼は磁力が低いため磁石にはくっつかない。
 
「チタンは酸化物が非常に安定で侵されにくく、空気中では不動態となるため、白金とほぼ同等の強い耐食性を持つ。室温では食塩水海水)などに対し高い耐食性を示し、少量の湿気が存在する場合は塩素系ガスとも反応しない。そのため純チタンはやや接着性に劣るが、逆に表面の汚れやごみなどの付着物を容易に取り除ける。しかし高温ではさまざまな元素と反応しやすくなるため、鋳造溶接には酸素窒素を遮断する大掛かりな設備を必要とする。炭素窒素とも反応してそれぞれ炭化物窒化物を作り、これらは超硬合金の添加物としてしばしば利用される。」
 
 
そのまま製鉄に使えるのは砂鉄(磁鉄鉱)を含んだ花崗岩層である。なにになぜチタン系花崗岩層を人々は経巡ったのか?
これは時代にもよるが、チタン鉄鋼系列花崗岩にも少量ではあるが磁鉄鉱が含まれていたからだろう。
 
記紀で、出雲が最初に征服される理由のひとつが砂鉄であろう。
 
ちなみに出雲地名の由来はさまざまあるが、出雲は実は花崗岩にこれも多く含まれる黒雲母の産地でもある。雲母は和語では「きらら」で、中世吉良氏の名前の由来でもあるわけだが、雲母の出るところという意味があったかも知れない。
 
 
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