「リングワ・フランカもしくはリンガ・フランカ(Lingua franca)は、「フランク語」、「フランク王国の言葉」を意味するイタリア語であるが、それから転じて、共通の母語を持たない人同士の意思疎通に使われている言語のことを指すようになった。現在では、「共通語」や「通商語」の意味で使われることが多い。
本来のリングワ・フランカは、実際にレヴァント地方で用いられた、ロマンス諸語、ギリシャ語、アラビア語の混成語である。特に典型的なサビール語(Sabir)は、イタリア語を土台に、アラビア語、ペルシャ語、ギリシャ語、フランス語などの単語や表現が混交したもので、近代前期に地中海地域の交易用に用いられた。フランスの劇作家モリエールの17世紀の戯曲『町人貴族』でリングワ・フランカの台詞が登場する。
現代の言語学用語としてのリングワ・フランカは、広く外交や商取引で使われる通商語、あるいは共通語という意味で用いられる。ピジン言語やクレオール言語といった複数の言語の混合によって成立することもあるが、ある地方で政治的・経済的に大きな影響を持つ言語がリングワ・フランカとして用いられる場合もある。」Wikiリングワ・フランカ
リングワあるいはリンガはフランス語で「言葉」「言語」、
フランカは英語のフランクである。つまりざっと言えばアメリカ英語はイギリス英語のリンガ・フランカだとなる。もちろんキングスイングリッシュのリンガフランカにはスコットランド英語やアイルランド英語も時代によっては広義で入るだろうが、同国内での場合現在は方言と言われる。
貿易や交流のために、ある程度の共通単語による片言言語である。
例えばボルネオなどにあるピジン・イングリッシュは、発音的にはオーストロネシア膠着言語の訛りがあり、文法的にはブレイク英語。それでも英語外国人には通じる。
カーゴ文化が入ることで、貿易や交流の必要上生まれた。
さて朝鮮語と日本語にも、ある時代、リンガ・フランクがあった時代と地域はあったはずである。それは中国ともあっただろう。文法の上で朝鮮語と日本語はまったく同じアルタイ語膠着言語なので、文法を変える必要はどの時代にもない。あったのは共通単語である。それは商品の名前・・・例えば魚や米などの食品に顕著に現れたはずだが、残念ながら今の韓国には往古の古朝鮮語の痕跡はない。あるのはむしろ金属・・・銅はカルで、古代日本と共通だった可能性がある。これも銅がある一時期に交易品だったからである。ほかにもいろいろあるがそれはまた別記事に各論で述べいきたい。
日本語と朝鮮語の起原は、バルカン半島騎馬遊牧民であるテュルク民族・・・つまりアナトリアやアッシリア時代以前にまで遡るおよそ10万年前に文法が確立した言語体系が、偏西風・季節風、歴史的排除や貿易の必要性などに左右されつつ、西から東へ移動し、結果的にバイカル湖親モンゴロイド遺伝子との合流から分岐してゆく。この時点でテュルク系言語と東アジア系のツングース系言語の融合が起きる。これも一種のリンガ・フランクを生み出したことだろう。
その後、シベリアの気候が生み出す複雑な部族の中で、それらは膠着語という共通性だけを残しながら東西南北へ拡散していった。新モンゴロイドたちが移動して場所場所でこの言語は各部族と出会うたびに細かく変化してゆく。そのうちのひとつは凍った旧石器時代のサハリンから人とともに北海道へ渡り、ここでもまた先着・後着の各部族間でリンガ・フランクが生まれ始めるのであろう。それが縄文東北言語となるが、日本海側と太平洋側で蝦夷の名前が違っていたように、言葉もまったく統一されてはいなかったはずである。
言い換えれば縄文人とて、決して一種類の民族ではないということになる。ツングース系が中心ではあっても、三々五々、北日本にはさまざまの移住があったはずだ。もちろんアイヌのような別系統の移住者もいたわけである。また南日本の縄文人はやはり東北と同じほど古くから鹿児島などに存在しており、同じ言語の人々だったとは思えない。琉球諸島は台湾経由の港川先史時代人がいたが、それでも諸島の南北に広い海があって、沖縄本島以北と八重山諸島を分けていた。これは氷河時代にもつながっていない。また沖縄本島から奄美大島までの間にも広い海が存在している。だから鹿児島の縄文人のやってきた道は、いまだに判断が難しいのである。この二つの空間が埋まるのは貝の道と琉球への上野原や西九州縄文土器南下によっているので縄文中期以後だろう。
いずれにせよ、船の交流が7000年前の中国東北部まで及んでいたことは、これまでの縄文世界=地域外へはあまり出て行かない狩猟採集生活という常識は完全に崩れているといわねばならず、アイヌ民族がアムール川にもいたように、相互交流はそこまで遡ったと言える。
これは決して弥生時代の話をしているのではなく、先土器時代、いや旧石器時代という1万年~3万年前の話なのである。民族は太古でも孤立はしていなかったのである。
さて、では弥生時代だが、半島東部海岸部、南東部(プサンなど)海岸部という、あまり日本史にはなじみのない地域の縄文時代後期に、同じ釣り針が出る、熊本の曾畑式土器が半島のものと似ているという事実はすでに書いたことである。しかも太平洋側には沖縄にしかなかったはずのひょうたんの種が届いていた。
これが弥生時代ともなれば、類例はもっと多くなる。まして漂着を言い出せばはるかインドや南島、インドシナから甕棺というまったく同じ墓が登場。それどころか解釈しだいでは西アジアから綿すら届いたとも記録がある(尾張地方に韃靼人など)。西アジアの今のイスラム世界などは往古から欧州よりも早く船とラクダによる貿易国家だったのだから、もう来なかったほうがおかしいと思っているほうがいいだろう。
考古学的には、山東半島にライという民族がいて、それが春秋時代に太公望が起こした斉によって滅ぼされたときにこの遺伝子はダイレクトで海を渡って西九州に入ったという証拠が日本人の少数だが遺伝子に残存しているのである。
また母系D遺伝子は広くアジアに分布するが、派生元はバイカル湖であり、そこから日本とチベットにだけ拡散したD4遺伝子が存在する。イネでは中国にしかない遺伝子が日本の米に遺伝している。これらは半島南部を経由せずに西九州の菜畑に入ったのである。
だからと言ってほとんどの遺伝子やイネや遺物がそこから来たわけではない。ほとんどの遺伝子は朝鮮半島のむかしの北部・高句麗から百済の地域と極めて似ており、言語もまた高句麗を分岐点としたものが南下したと考えられる。この分岐は約2万年5千年以上前に起こっており、縄文とか弥生とかのタイム感覚からは隔絶しているのだから、それを持って朝鮮語と日本語の類似は渡来人や縄文渡海に始まるとか、日本語は朝鮮人が入り込んで教えたからだとかとは、まったく時間帯が隔絶する。
ほかの言語の類似・・・例えば欧州の英語とドイツ語の類似などは、方言の違い程度ほどそっくりであるが、朝鮮語と日本語の類似は、それから比べると単語にまったく似ているものが少ない。基層語というものがあるが、さかなとか、やまとか、うみとか、かわとかである。これがかなり違うということは、両者の相違は方言という範囲にはおさまらない、もっとはるかに古い時代の分岐を語るのである。しかし朝鮮言語学者が目を丸くして「異常なほど」似ているとかつて言ったように、東アジア社会の中でという限定つきで両者は似ている。
問題は五十音の多い少ないである。
日本語は五十音に少しの古い音の残存がある程度だが、朝鮮語は66音ほどもあり、それが日本で使われたのは奈良時代だけである。つまりそれらの発音は高句麗・百済王族が白村江敗北で移住して、宮中で書記官だったころだけの「万葉発音」なのである。
さらに朝鮮語には、日本語には絶対ない「子音」や「っ」の発声だけで終わる単語が実に多い。「カルビ・クッ」などだ。これを聞くと、日本語はむしろハワイ語のほうが似ているとさえ思えてくる。すべてに母音がつき、子音では終わらないからだ。子音で終わったり、しゃ・しゅ・しぇ・しょなどの音があったり、「っ」とか「とぅ」などの音が含まれていると、あるケースで判別が非常に難しい。それは船の上、海の上での舟と舟との間での言葉の交流のときである。海の潮の音、風の音は、不明瞭な発音を生まない。明確で単純な母音を求めるのだ。
つまり朝鮮語が高句麗のような内陸部で分岐して伝わったように、それは「陸の言語」だということであり、日本語はそれ伝わった2万年前に、もうすでに海の言語とハイブリッドしていたと考えるしかなくなるのである。
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