オーストラリア・アボリジニは、五万年前にインドシナ半島スンダランド南端のカリマンタン島から、凍った海を島伝いに渡ったとされている。そして地球上で最後に広大だったゴンドワナ大陸の今の南極から分岐したオーストラリア大陸に、ほぼ陸封されたような常態で住み着く。アボリジニと一言でいうがその形質はさまざまで、大きくがっしりした体系の古いネアンデルタール形質を残す種族ときゃしゃな現代的形質の種族が、おそらく時間を異にして来訪している。彼らは巨大なオーストラリア大陸の中ではほとんど出会うことなく過ごしたためにほとんど混血しなかった。
だから世界で唯一のネアンデルタールを想定できる貴重な人類見本(生きた化石のような)種族が存在するのがアボリジニだと言える。
アボリジニは、だからほかの世界とは隔絶された種族なのである。ところが彼らの、もしかすると縄文海進直後から舟によって少数の移動の痕跡が太平洋の島々には(もちろん日本にも?)あるようなのである。五万年前でもスンダランドとオーストラリアの間には不凍海は存在した。だからそもそも最初から彼らのすべてが歩いて綿ってきたとは決めきれない部分もあるのである。
アボリジニの好む意匠は、今も昔もあまり変わっていない。ただ現代ではみやげ物として売れるデザインが店舗には増えているので、観光旅行ではなかなか古代からの伝統デザインを目にすることが減ってきている。また芸術としての作品の中に、そのバリエーションも増えてきたので、これも本来の彼らだけのオリジナル・デザインだったかどうかを見分けにくくなっていく。
ただ、幸いなことに、本源的なデザインの源泉はほとんど変わっていないとも言える。
いくつかを見ていただく。
まずはあきらかに古代から残された洞窟壁画。
渦巻きである。いくつもの。
同じく壁画。大きく円弧を描いた大蛇。
これは一見してインドや西アジア、ギリシアの「ウロボロスの蛇」である。
彼らはアジアには来なかったはずだが、こういう世界中にも存在する永遠の絵柄を考え付いている。
人類は同じことを、違う場所、別々の場所で生み出すのだ。
これは現代のスーベニアショップで好まれているデザインのクーラモン(小物入れ)。
クーラモンには大から小までさまざまあって、いろいろなものを種類別に小分けして入れたり、かつては運搬用の道具箱となるほど大きなものであった。中には狩猟の道具や交易用の商品が入れられて砂漠を行き来した。
クーラモンの意匠の変遷
下へ行くほど新しい時代のもの。
最初は蛇と弧文である。蛇は次第に簡略化されて線分になっていくことがわかる。
右側のは波状の弧文で円弧を描かれている。いわゆる円文である。
波、あるいは波紋、または蛇の鱗にも見えるが、どことなく日本の弧帯文にも見える。
帯文と渦巻きの組合せ
以下は現代の意匠である。
こういう神代文字のような不思議な模様は、すでに古代から日時計などで使われてきた伝統的なものである。
真ん中の曲線はもちろん蛇であろう。
2に続く
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