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ヤッコカンザシ・地震隆起・阿蘇山鳴動

 
 
ヤッコカンザシは過去のプレート隆起年代の指針

ヤッコカンザシはゴカイの仲間。
海水面付近の岩石などに石灰質の管をつくり棲家とする。 水没した時に、この管から触手を出してプランクトンを食べている。この管の集まる場所は海面と岩礁のきわ。だからそこはかつて海面がすれすれまであったという証拠になる。もちろん縄文海進の推移も年輪のようにわかる。
 
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イメージ 2

アクアガイド海の生き物図鑑(作成中)より
http://sea.ap.teacup.com/aqua-guide/14.html
 
 

これが過去のプレート地震の時期を知る指標にもなることを発見したのは産業技術総合研究所・海溝型地震履歴研究チーム長の宍倉正展(ししくら・まさのぶ)。調査現場は千葉県館山市見物(けんぶ)海岸の海岸段丘である。
 
 

「この場所は関東地震(大正関東大震災)の震源地の真上に位置しています。関東地震は、沈み込む海側のプレートと上にある陸側のプレーとの境界で起きる地震です。地震の際に陸側のプレートが跳ね上がることにより、その真上では地面が隆起する。見物海岸では、過去何度も地震によって繰り返し地面が隆起したため、その痕跡が独特な地形として残されているのです」

見物海岸のヤッコカンザシ群生痕跡は高さの違う二ヶ所に見られた。その「年輪」をヤッコカンザシの管を炭素年代法で調べると、それぞれ100年前、300年前という数値が出た。それはちょうど前者が関東大震災、後者が元禄時代に起きた関東地震の時期にジャストフィット。プレートテクトニクス理論の、海中における海側プレートが陸側プレートに引き込まれて起こる大地震によって、陸地が隆起した痕跡であることが確認されたのだった。
 
 
 

付着した年代が違う ヤッコカンザシの巣穴 室戸の地質・地形・景観室戸岬生物
「これは、大地が隆起している証拠です。隆起速度だって計算できますよ!
 何千年も前に生息していた時のヤッコカンザシの巣穴が岩石に付着しています。ヤッコカンザシは潮間帯(潮の満ち引きする場所)にしか生息していません。さて、どうやって海面から何mもの高さに、しかも色々な高さに付着しているのでしょう?これは、地震などによって大地が隆起を繰り返すことで形成されたのです。」
http://www.muroto-geo.jp/geomap/%E4%BB%98%E7%9D%80%E3%81%97%E3%81%9F%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E3%81%8C%E9%81%95%E3%81%86%E3%83%A4%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%B7/
 
 
 
 
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イメージ 3

エボシ岩付近の『ポットホール』より
http://blog.goo.ne.jp/hikaruyui/e/f9cfd03a4d13dcce08328c1dff58901b
 
 
 
 
三浦半島で. は化石ヤッコカンザシと歴史地震 との対応を検討し,. 1703 年元禄関東地震,1923 年大正関東地震の隆起の復元に. 成功して いる[宍倉・越後(2001)]
sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/kaishi_23/23_021.pdf
 
 
 
「それぞれの分野にそれぞれの常識があります。例えば潮間帯の生物は深さ方向にきれいな帯状の分布を示すことは海洋生物を学ぶ者なら常識です。でも地形を学ぶ者には常識ではないのです。

元禄時代に関東に起こった大地震で、どれくらい地面が隆起したのか。従来は地形から推定していたのですが、地理学教室で2年上の先輩だった茅根さん(現、東大助教授)が、「変なものがべたべたついてんだけど、これから当時の水深が分からないだろうか」と管棲多毛類の管を持ってきました。ヤッコカンザシという、かなり特徴的な管を作る種類だったので、私でもすぐに同定できました。
 
かくして房総半島や三浦半島で元禄地震の隆起量を見直す論文を発表することになったのでした。テクトニクスの分野では、しばらくヤッコカンザシがブームになったものです。」
http://webpark1489.sakura.ne.jp/docs/profile/photo_images/picup_02.html
 
 
 
 
 
 
 
さて関連する話として、阿蘇山が鳴動を始めたようである。
筆者の住む大分県でも火山灰のために洗濯物は室内に干す日々。
阿蘇の隣接地である竹田市では高冷地野菜が大被害を受けている。

なぜ今、世界各地で火山活動が連発し始めたのか?
もう一度過去のこの記事を貼り付けておきたい。

日本の火山110・2014噴火した火山総覧
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これも過去記事で切取った記事

 「地震の多くは、細長く帯状あるいは線上に分布して発生しています。そしてその多くは、海溝沿いの地域に起こっています。
 
 大西洋の中央をほぼ南北に走っているのは、プレートのわき出し口で、大西洋中央海嶺です。(下図:1990年から2000年までの世界の地震の震央分布、マグニチュード4.0以上、深さ50kmより浅い地震)。

 これらの分布と世界のプレートの分布(下図)を比較すると、地震の震源や火山の集中しているところにはプレートとプレートの境界があることがわかります。」
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/2-1.html
 
 
 
 
 

そんなことはもう常識となっている。
環太平洋火山帯=リング・オブ・ファイアーの鳴動と、プレートテクトニクスが大きく関わることまでは、誰でももうわかっている。

ところが、今順番に起きている世界の火山の活動が、ではいつ、何をきっかけに、次はどこの火山で、どういう理由で、起きるのか、地震学は手も足も出ない状況に変わりがない。いったい地震学とはなんのためにある学問なのか?いや、そもそも学問なのか?それは数学者と同じ、無意味なパズル遊びの、結局は自己満足のせんずり学問なのか?

NHK取材班による「NHKスペシャルMEGAQUAKE巨大地震」が本になった。そうそうたる地震学者研究者の名を連ねているけれど、どれもこれもが日本列島の話ばかりで、誰一人としてリングオブファイア全体から日本の地震や火山活動を語る記事がない。狭小で地を這うような二次元の視野と、過去への自戒、そしてさしてやむにたちそうもないわずかばかりの新発見・・・。
ますます人類の無力を感じさせる絶望的一冊である。
 
関東大震災から90年が経った。
当時の地震学者・今村明恒の自戒の一言から、なにひとつ進歩がない。

「学問の今日の程度であっても若し国内の地震学者が予め適当な注意を加ふる事があったなら、火災のごときは大部分を防止し得られ、災厄の幾分を軽減することができたであらう
、然るに事此に出でずして彼の様な大惨害を招いたのは地震学者として我々は慙愧に堪えないのである」
 

これはまるで先の原発事故における東電関係者の自戒そのままである。何も進化していない言葉がまたいつか繰り返されることは、バカでも予想できる。
 
ゴカイでさえ危機を教えている。大自然に危険へのサイン・ヒントは満ちている。少なくとも、ヤッコカンザシが示す元禄~大正地震の隆起の間隔は200年。そして90年後に東北大震災が起こった。大地震はそういうスパンで起こる。同じくヤッコカンザシによる隆起間隔が高知県室戸でもわかる。こちらはプレートの南海トラフの動きの間隔である。列島の東西で、100年おきくらいで大鳴動は起こるのである。そしてそれに付随して作用反作用を受けた火山帯にも大きな摩擦や圧迫、揺りが加わる。そこで起きるのは悪いことばかりではなく、鉱物の圧縮による貴金属や資源の誕生という悠久の時間のできごとも起こり始める。人はいくらか死ぬだろう。しかし無駄な死ではない。しかし学者たちは、その死を、地球ほどに存分に役立ててはいないのではないか?どこまで死者たちをバカにすれば気が済むのだろう?
 
 
 
 
 
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