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盤状集積墓・盤状集骨 全公開記事

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全文全画像一般公開記事です。



山田康弘『老人と子供の考古学』吉川弘文館 2014より

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盤状集積墓 ばんじょうしゅうせきぼ
盤状集骨  ばんじょうしゅうこつ


愛知県田原市渥美町福江(渥美半島)にある保美(ほび)貝塚から発見された縄文時代(晩期(2300~3000年前)吉胡貝塚文化財課)の特殊な集骨墓である。
大正時代から18回以上の発掘調査がなされてきたが、2010年からの新たな調査で、これらの特殊な埋葬をなされた遺骨が発見された。近隣に、同じく300体もの遺骨の出ている吉胡(よしご)貝塚、200体以上出た伊川津(いかわづ)貝塚がある。

盤状集骨とは、画像のごとく、手の骨や脚の骨を四角く(カタカナのロの字型)配列、その中に肋骨や寛骨、下顎を置き、四隅のかどに頭骸骨の破片を置くという特別な埋葬方法で、前例は大正時代の東京帝国大学教授・清野謙次が発見して盤状・・・と銘銘して以来、その後は20数年前の1983年に伊川津貝塚で発見されている。

イメージ 1
画像の出展先
考古学と人類学のコラボレーションによる縄文社会の総合的研究 山田康弘
http://blogs.yahoo.co.jp/arch_yamada
http://blogs.yahoo.co.jp/arch_yamada/8825824.html



人骨をこのようなかなり無理な形状に折り曲げたり、組み合わせたりしたのは、もちろん埋葬した縄文時代の人の手によったもので、積み上げた数対の遺骨がのちに散乱したものではない。最初から意図的にそうされたのである。つまり人体の解剖学的な置かれ方ではない方法・・・例えば、一度骨にしてから並べなおした、あるいは、最初から遺体を無理やりへし曲げて重ね置いたかのどちらかであろう。常識的埋葬後に骨が霍乱されたにしては、そこには大たい骨の置き方などなど、一定の法則が見受けられ、やはり先の二つのいずれかの方法で置きなおされた、あるいは捻じ曲げて置かれていたようである。攪乱を否定する要因には、ほかに発掘した土壌のしっかりとしていたこともあげられる。一度土を掘り返せば、かならずそこは掘りやすく柔らかくなっているものだからだ。

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同上サイトより

なお、山田氏ブログにはコメントやゲストブックの表示がないため、不許借り受けた。山田氏にはここでお詫びしておく。その後、メッセージにて事後承諾をお願いしてある。






また、この付近には、袋などに入れられたと考えられる仰臥屈葬された男性遺骨も見つかっており、埋葬方法の違いが、両者にどういう事情があったかが気になる。以前ここで書いたように、縄文人の埋葬にも上下関係があることがわかっているので、もしやここもそうした身分の上下による埋葬方法の差が出たか?これはまだ不明である。ただ、単独で屈葬されたこの人骨は、鹿角製の腰飾りが佩(は)かされており、春成秀爾によれば、こうした例は多くが、下顎の左右第一・二切り歯を除去した4I型抜歯の遺骨に見られるという。さらにこの人骨の背骨にはリッピングという骨病変化が見られ、高齢者であろうと見られている。ほかにも肩骨などにも加齢を示す変化があり、高齢者に違いないようである。


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保美 単葬例人骨 山田康弘著書p18より




縄文時代に、高齢者や病人の扱いには、二種類がある。ひとつはぞんざいな扱いで穴などに放り込まれるか、積み上げられた者、ひとつはこの人物のように、単独で丁寧な扱いをされ、生前の遺物などが一緒に入れられた者であるが、どうやら保美のこの人物は、後者ではなかったか。

そうすると、盤状集骨の人々は、彼とどう違う人々だったかが気になる。縄文時代の埋葬の格差の、ここも例証になるかどうかである。
実は集骨の中には、三歳くらいの子供の遺骨も含まれていたと言う。一般に、夭折した縄文人の子供は(弥生の甕棺墓でも当初そうだったが)一般に、単独埋葬されるのが常識である。それは夭折幼児や流産した胎児などには、祖霊の霊魂が宿って新生児として再生されるという信仰があったらしく、だいたいは単独に、丁寧に、壷などに入れられて、家屋の入り口地下に埋められているものが多いのである。するとこの三歳児は、ほかの大人たちと一緒にまぜこぜに埋葬されたことになる。

どうやら盤状集骨は、その集落では一般人だった人々の埋葬方法で、それでもわざわざなんらかの意味を持つらしいロの字に収められた人々であるようだ。そのロの字型にどんな意味があったのだろうか?何かの呪ではあろうが、まるでキャンプファイヤーの材木のごときその並べ方、積み上げ方は気になって仕方がない。




本日の会員制ブログには、まった異なる記事を啓上します。
今後、考古学的記事は極秘事項のヒントがない限りはここに極力全公開する予定です。Kawakatu







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