御園花祭2013榊鬼(問答、ヘンベ踏みから引つ込みまで)
へん‐ばい【▽反×閇/返▽閉/▽反陪】
1 「禹歩(うほ)1」に同じ。2 1からきたもので、日本芸能の特殊な足の踏み方。「翁(おきな)」「三番叟(さんばそう)」の呪術的な足づかいや「道成寺」の乱拍子など。
陰陽師が邪気を払い除くため呪文を唱え大地を踏みしめ,千鳥足に歩む呪法。三足,五足,九足などさまざまの種類がある。平安朝以来天皇・将軍など貴族の外出にあたって多く行われ,悪い方角を踏み破る意味があるという。土御門(安倍)家の秘法では反閇のとき燃灯し,水,米,大豆,ゴマ,アワ,麦,酒,生牛乳などを用意して散供(さんぐ)を行う。平安朝,陰陽道の進出につれ,日本古来の鎮魂の作法が反閇と習合し,神楽が芸能化する中世にはそれに伴って反閇も《翁》《三番叟》《道成寺》など猿楽にとりいれられ,乱拍子(らんびようし)などとも呼び,祝福的意味をもつようになった。
今城塚古墳巫女埴輪
力士反閇埴輪
福島県清戸迫横穴墓
少なくとも最古は古墳時代からあった鎮魂の所作。
相撲の四股、各地の追儺行事、神楽などに受け継がれて今も残存する。
大元は中国少数民族の追儺的な来訪神を迎える所作にあると言われる。
神仙思想の鎮魂所作。
大地踏みともいい、道教的禹歩の中の一所作。
東アジアなどの各国為政者・王に義務付けられていた平安を祈り、災害を防ぐ所作。
片手を腰にあて、片手を水平にのばし、千鳥足に歩きつつ大地を踏みしめる。地固め、地鎮の意味を持つ。王が国土を巡回し、隅々まで足を入れるのと同じ意味。
禹歩とは夏(商)王禹がこの所作をした、あるいは彼自身が生まれつき「いざり」=片足が不自由だったことから。片足が不自由つまり「びっこ」である理由は、山川を歩き回ったためとされるが、多くの山の職能者たち(山猟師、山師、鉱山師など)が足を痛めることが多かったことの象徴でもあろう。事実、夏王禹は山野開発、河川開発、そして鉱山開発の祖。これらはみな、王としての義務でもあった。これを日本では「おおさき」「おおさけ」「蹴る」「大山咋 おおやまくい」「溝杭 みぞくい」などと言う。すべて新天地や悪しき土地を国土開発、開闢した祖人、地主、その結果為政者となった人の意味である。