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熊本県過去の地震データとそのメカニズムと九州の活断層・地溝帯


●熊本県の過去の地震資料
1[PDF]資料

第4節 熊本県の特質と過去の主な地震災害





2HTML資料
●熊本県の過去の地震データ(SOUGENサイトより転載)

  • 1619 年5月1日(元和5.3.17)肥後八代N32.5゜ E130.6゜
    M:6.0 麦島城をはじめ公私の家屋が破壊した。
  • 1625 年7月21 日(寛永2.6.17)熊本N32.8゜ E130.6゜ M:5~6
    地震のため熊本城の火薬庫爆発、天守付近の石壁の一部が崩れた。城中の石垣にも被害、死者約50人。
  • 1723 年12 月19 日(享保8.11.22)肥後・豊後・筑後N32.9゜ E130.6゜ M:6.5
    肥後で倒家980、死者2。飽田・山本・山鹿・玉名・菊池・合志各郡で強く、柳川辺でも強く感じた。
  • 1769 年8月29 日(明和6.7.28)日向・豊後・肥後N33.0゜ E132.1゜ M:7 3/4
    延岡城・大分城で被害多く、寺社・町屋の破損が多かった。熊本領内でも被害が多く、宇和島で強く感じた。津波があった。
  • 1792 年5月21 日(寛政4.4.1)雲仙岳N32.8゜ E130.3゜ M:6.4
    前年10 月8 日から始まった地震が11 月10 日頃から強くなり、4 月1 日に大地震2回、前山(眉山:天狗山)の東部がくずれ、崩土約0.34km3 が島原海に入り津波を生じた。対岸の肥後でも被害が多く、津波による死者は全体で約15,000、潰家12,000。「島原大変肥後迷惑」と呼ばれた。
  • 1828 年5月26 日(文政11.4.13)長崎N32.6゜ E129.9゜ (M:6)
    出島の周壁が数カ所潰裂。天草で激しかったという。天草の海中で噴火に似た現象があったという。
  • 1889 年7月28 日23 時45 分(明治22)熊本付近N32.8゜ E130.7゜ H:極浅
    M:6.3熊本地震飽田郡を中心に熊本県下で被害大。死者20・負傷52、家屋全壊228・半潰138、地裂880、堤防崩壊45、橋梁壊落22・破損37、道路損壊133。柳河地方でも潰家60余。肥後・筑後地方で強震
  • 1894 年8月8日23 時19 分(明治27)熊本県北部N32.8゜ E131.0゜H:極浅
    M:6.3阿蘇郡永水村で家屋土蔵破損15、石垣の崩壊が多かった。長陽村で家屋破損1、石垣崩壊9。
  • 1895 年8月27 日22 時42 分(明治28)熊本県北東部N32.8゜ E131.0゜H:極浅
    M:6.3 阿蘇郡山西村で土蔵破損400、堤防亀裂8、石垣崩壊22、石碑・石灯籠の転倒多し。永水村で家屋破損5。その他の諸村で小被害。肥後・筑後地方で強震。
  • 1906 年3月17 日21 時20 分(明治39)熊本付近N32.8゜ E130.8゜
    熊本市内で陶器店・ガラス店にて多少の被害。最大震度Ⅳ:熊本
  • 1907 年3月10 日22 時03 分(明治40)熊本付近N32.9゜ E130.7゜ H:極浅
    M:5.4煉瓦煙突破壊1、家・倉庫壁の亀裂3などの軽被害。最大震度Ⅳ:熊本
  • 1909 年11 月10 日15 時13 分(明治42)宮崎・熊本県境N32.3゜ E131.1゜ H:150km
    M:7.6震域広く日向・土佐で潰家・死者あり。宮崎市で被害大。県内で負傷3。
    最大震度Ⅴ:宮崎・大分・鹿児島・佐賀・岡山・徳島・広島など。震度Ⅳ熊本。
  • 1931 年12 月21 日14 時47 分(昭和6)八代海N32.5゜ E130.5゜ H:10km
    M:5.5大矢野島群発地震。22 日と26 日にM:5.6、5.9 の地震(下記)。21 日、22 日の地震により八代町沿岸に多少の被害。26 日の地震により八代郡田浦付近で壁の剥落50
    ~ 60、堤防亀裂、石垣崩壊等の被害。大矢野島の護岸・堤防決壊す。最大震度Ⅴ:牛深。
  • 1931 年12 月22 日22 時08 分(昭和6)八代海N32.6゜ E130.6゜ H:0km
    M:5.6被害は上記の地震と重複。最大震度Ⅴ:牛深
  • 1931 年12 月26 日10 時43 分(昭和6)八代海N32.6゜ E130.6゜ H:10km
    M:5.9被害は上記の地震と重複。最大震度Ⅴ:牛深
  • 1937 年1月27 日16 時04 分(昭和12)熊本県中部N32.7゜ E130.8゜ H:30km
    M:5.1上益城郡秋津村で長さ10 間(18m)幅3 尺(0.9m)の石橋崩れ落つ。最大震度Ⅴ:牛深
  • 1941 年11 月19 日01 時46 分(昭和16)日向灘N32.0゜ E132.1゜ H:0km
    M:7.2日向灘地震。大分・宮崎・熊本の三県で死者2・負傷18、家屋全壊27・半壊32
    その他、石垣崩壊、煙突破損、道路破壊等あり。宇和島・宿毛でも軽微な被害。九州の東岸・四国の西岸に津波襲来し、細島・青島・宿毛で波高約1m。船舶の転覆流失あり。干潮時のため津波による陸上の被害なし。余震多く、30 までに有感23 回・無感71回
    最大震度Ⅴ:宮崎・人吉・宿毛・延岡
  • 1968 年2月21 日08 時51 分(昭和43)宮崎県南西部N32.0゜ E130.7゜ H:0km
    M5.7えびの地震。2 月10 日頃から前震あり、この地震に引き続き21 日10 時45 分(M6.1)、22 日19 時19 分(M:5.6)にも地震があり、これらの地震で被害が発生した。多数の余震あり。死者3・負傷42、家屋全壊368・半壊3,176、非住家被害 1,494、道路被害73、橋梁損壊9、堤防亀裂4、山(崖)崩れ44、鉄道被害6、通信施設被害100。最大震度:Ⅴ:人吉
  • 1968 年2月21 日10 時45 分(昭和43)宮崎県南西部N32.0゜ E130.7゜ H:0km
    M6.1えびの地震の最大規模の地震。被害は上記の地震と重複。最大震度Ⅴ:人吉。
  • 1968 年2月22 日19 時19 分(昭和43)宮崎県南西部N32.0゜ E130.8゜ H:0km
    M5.6被害は上記の地震と重複。最大震度Ⅳ:人吉。
  • 1968 年3月25 日01 時21 分(昭和43)宮崎県南西部N32.0゜ E130.7゜ H:10km
    M5.4えびの地震の余震。死者3、住家全壊18・半壊147、非住家被害309、道路損壊6、橋梁破損5、山(崖)崩れ11、通信施設被害97。最大震度Ⅳ:人吉。
  • 1975 年1月23 日23 時19 分(昭和50)熊本県北東N33.0゜ E131.1゜ H:0km
    M:6.1阿蘇郡一の宮町手野地区に被害集中。負傷10、道路損壊12、山(崖)崩れ15。最大震度Ⅴ阿蘇山
  • 1984 年8月7日04 時06 分(昭和59)日向灘N32.4゜ E132.2゜ H:33km
    M:7.1宮崎・大分・熊本の各県で被害。負傷9、建物一部破損319 など。弱い津波があり、延岡で18cm を記録。最大震度Ⅳ:宮崎・延岡・油津・大分・熊本・宇和島。
  • 1987 年3月18 日12 時36 分(昭和62)日向灘N32.0゜ E132.1゜ H:48km
    M:6.6宮崎県で被害大。死者1・負傷若干のほか、建物・道路などに被害があった。大分・熊本県で被害あり。最大震度Ⅳ:熊本、阿蘇山、人吉。
    〔熊本県の気象百年(熊本地方気象台)による〕
  • 1997 年3月26 日17 時31 分(平成9)薩摩地方N31゚58.7′ E130゚.21.6′ H:8km
    M:6.3水俣市を中心にシラス崩れ、壁の亀裂、窓ガラス割れ、落石等の被害発生。最大震度:4(熊本市京町、八代市、松橋町、人吉市、牛深市、芦北町、大矢野町)
  • 1997 年5月13 日14 時38 分(平成9)薩摩地方N31゚56.9′ E130゚.18.1′ H:8km
    M6.2水俣市を中心にシラス崩れ、がけ崩れ、屋根瓦の落下、家屋のひび割れ等の被害発生。最大震度:4(八代市、松橋町、人吉市、芦北町、大矢野町)
  • 1999 年3月9日12 時53 分(平成11)阿蘇地方N32゚56.6′ E131゚.00.8′ H:10km
    M4.5西原村、長陽村等においてブロック塀の倒壊、屋根瓦の落下、落石等の被害発生。最大震度:4(旭志村)
  • 2000 年6月8日9時32 分(平成12)熊本地方N32゚45.3′ E130゚.45.3′ H:10km
    M4.8益城町、嘉島町、御船町で屋根瓦多数落下、砥用町で落石被害発生。最大震度:5弱 (※富合町、※嘉島町)
  • 2001 年1月10 日19 時33 分(平成13)阿蘇地方N32゚48.2′ E131゚07.7′ H:6km
    M3.9高森町で落石、水道管破裂、屋根瓦の落下、窓ガラス破損等の被害発生。最大震度:3(産山村、※波野村、※蘇陽町、白水村、※久木野村、※長陽村、※清和村)[高森町の文部科学省設置の地震計で震度5強を表示]
(注) ※は県の震度計
(熊本県防災情報ホームページより抜粋)
熊本県の気象官署における震度別有感地震発生数

平成18年4月1日から平成21年6月30日まで(3年3カ月)に、木耐協で実施した耐震診断12,332件の木造住宅の建物のうち84.73%の戸建住宅が現在の耐震基準を満たしていないことがわかりました。



3画像資料

熊本県周辺の過去に起こった地震と活断層

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イメージ 2



4参考資料 九州火山噴火年代
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九州構造線など地盤と地質に関する資料画像

1 中央構造線領家変成帯
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●九州の活断層と構造線


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イメージ 9


布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯
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今回の地震の震源地と周辺での伝播状況

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イメージ 4


震源地 熊本県益城町直下10km。
直下型地震。
特徴・・・震源が浅いので被害は狭い範囲に集中。火山性地震ではない。火山帯との関連はまだ不明。熊本市、益城町を中心にした肥後中部に集中。
その後、宇土市・宇城市に大きな地震域が移動しているのが特徴的。





参考資料 九州の活火山
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熊本県のこれまでの地震の傾向
「 熊本県に被害を及ぼす地震は、主に陸域や沿岸部の浅い場所で発生する地震と、日向灘など東方の海域で発生する地震です。 」


今回は陸域や沿岸部の浅い場所で発生。つまりトラフ、プレート振動型でもないようだ。


参考 日本のプレート
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●活断層型地震とプレート境界型地震のテクトニクス
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※画像のリンク先へは直接行かないほうがよいだろう。


江戸時代以降 複数回発生
 熊本県には北東-南西方向に延びる「布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯」があり、江戸時代以降、周辺の浅い地下で起きたとみられる地震が複数回発生している。14日夜、同県益城町で震度7を記録した今回の地震について、気象庁は同断層との関連は「不明」としているが、識者は「この活断層の一部がずれた『内陸直下型』の地震ではないか」と分析している。(西日本新聞)

横ずれ直下型地震のテクトニクス図






総括
今回の地震は東南海プレート振動型の地震ではない。
火山帯によった火山性地震でもない。
九州西部地域に従来から起きてきた部分的な直下型地震である。たて揺れと横揺れが交互に現れたのは阪神淡路大震災に類似し、あきらかに活断層型直下地震の横ずれ型である。ゆえに東南海プレート型地震を呼びさますような種類とは思えない。


ただ、もちろん列島規模の広い視線と地球規模の長い時間枠で考えれば、先の東北大震災によってひずんだ列島のプレートの影響がまったくないとは決め付けられない。ひずみやゆがみを修正しようとする作用反作用は、長期的に、あいだをおいて起きる。この地震がそうした大きなテクトニクスの中のひとつの現象ではないとは、これまた決められないだろう。



いずれにせよ、いつも感じることだが、人間は地震や火山噴火にだけはまったくあがらえない。地球にはかなわない。つまり宇宙と地球、大自然のの摂理は、やはり「神」なのであろう。いわゆる「人を喰う神」である。



1 中央構造線の図で、太平洋側の土地の多くが、列島ではもっともあとから「付加」された・・・つまり伊豆半島のようによそから北上しくっついたということがわかる。そのときに各地に山脈と活断層がひずみとして生じた。

するとそれ以前の部分との間に切れ目がある、それが構造線であるが、九州では奇しくもそれが歴史的境界線にもなっていることに気がつく。

つまりそれが狗奴国と邪馬台国のような文化的に違う居住空間を作ってしまったのか?

このように、地層や断層や災害史から人間の歴史も見えてくるので大事である。



今後の専門家の分析を今は待とう。
この記事を書いているあいだには緊急報告はない。
書き始める直前には余震があった。ただしすでに広範囲ではなかった。従って収束の傾向だと考えられる。


以上、できるだけ客観的に分析記事にさせていただいた。これはこのブログを書く上での方針であって、筆者自身の主観・心情とは別であることは言うまでもない。


最後に熊本県の被災者のみなさまには心からおくやみ申し上げます。Kawakatu















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