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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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聖地、そしてへたをうったと思った瞬間

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40代中盤からぼくは持っている金のほとんどを”聖地”めぐりに費やした。
沖縄を除く多くの禁則地、うらどをへ巡った。
 
例えば
奈良県の大神神社、宮崎県の銀鏡神社・西都原古墳群、京都の稲荷山の裏側、福井県の気比神宮、島根県の加賀のくげど、岐阜県境の白山神宮、大阪府のヒメコソ神社、神奈川県秦野市の寒田神社、京都府宮津市の大江山、同じく京都市の沓掛、岡山県の吉備中山・・・・
 
中でも、ここはこなければよかったと思ったのは宮崎県奥地の椎葉~西米良、特に銀鏡神社と京都市の稲荷山裏側、そして大分県穴森神社の磐窟、同じく日田市、そして壱岐島のある隠れ港町だった。
 
どこも相性が、何度行きなおしてもだめだった。
 
 
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今思えば、それらは聖地の中の聖地だったのだろう。
 
ひどいのは日田市である。
 
夜行くと必ず道を間違える。
 
椎葉では肩を壊し、
 
銀鏡神社の獅子祭りでは壊した肩をこじらせたあげくに、友人とけんかになり、さらに祭りの宮司一家は目の前で「いひひひ」と笑う気の狂ったような女が現れた。
 
穴森神社の祠は、風穴で、大蛇が住むというが、何度訪れても生臭いにおいにやられてしまう。
 
大阪府のニギハヤヒゆかりの磐船神社では、蛇のたたりか、青白いタヌキにばかされる。
 
聖地とはつまり「うらど」でもある。
 
後戸というものは、聖でもあるが、反面、魔界でもある。
 
子供の頃、体育館にひとりで立っているような、畏怖・・・といってもわからぬひとにはわからないだろうが。
 
一人旅でふとそうした聖地なりパワースポットなり、あるいは暗所に出くわしたとき、常に心に「しまった」が起こる場所がある。ここはひとりで来てはならなかった。そういう一瞬の逡巡と後悔が芽生えたとき、むしろ後戻りしてはならぬ、という自分なりの胎内巡りのルールを持っている。あともどりしようとすると、必ず事態はどんどん悪化する。
 
そういうときは、恐れを殺して、前に突き進むほうが「神」だとか「鬼」だとかは退散する。
 
 
京都の日本海側、舞鶴でそういう探訪をしている最中に、ぼくは地元のちんぴらにからまれ、車に押し込まれそうになった。どこへ連れて行かれるかわからないような事態だったが、ぼくはとっさに名刺入れの中にあった京都の大親分の名刺を見せることでその場を乗り切った。
 
冷たい日本海に浮かぶのはいやである。しかし、今考えれば、そういう現実の脅威などは、うらどの畏怖に比べれば乗り越えやすいささいな遭遇で、同じ京都の籠神社の太鼓橋上で、白茶けた形のないモノに出くわしたことなどに比べれば、大したことでもなかった。
 
京都の八幡市で、職場前に転がっていたビニール袋の中で真っ赤に染まった小指を拾い上げたときも、ぼくは冷静であった。そんなものはうつせの恐怖であって、本当に怖いのはうつせの外で出くわす異常な現象である。
あだし野の闇夜に見た得体の知れぬほのぐらい明かりとか、稲荷山の聖地で出会ったジャン・レノのような顔つきの背の高い男とか、瀬田の唐橋を渡り終わって振り返ったときに見えた亡羊とした霊的なものとか、秦野の電車内で話しかけてきた髪の長い女とか、身の上話をしてきた新幹線の中の見ず知らずの若い女とか、そいう、ふと気がつくともう見えなくなっているモノとの出会いこそが、実は古墳なんか巡るよりも、ぼくの大事な体験と、天啓を与えてくれる非常によい思い出になっているのである。
 
残念ながら、ぼくはそれらの興味深く、ひかれるモノどもと友だちになってしまうほどまぬけではない。
むしろ彼らが見えてしまうぼく自身の異常に向かった心理の変化のゆえを知りたいのである。
 
 
あらゆる事象には、必ず理由がある。
そのためには方程式を持たねばならない。
すべての歴史、世界中の歴史に貫通している、方程式である。
それにたどり着くことは、おそらく心霊現象に悩めるあらゆる人々の、理不尽な心を開くことになり、救うことになるのだとぼくは信じている。
 
あらゆる事象には必ず理由があるのだ。
 
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