埋蔵文化財|「旧石器発掘ねつ造関係遺跡の検証調査結果とその取扱い」
総括のみ引用
「藤村関与遺跡についての検証調査結果をまとめると以下のようになる。
(1) 藤村氏が関与した148遺跡のうち、確実に旧石器時代の遺跡と認定されるのは、遺跡の発見経緯から藤村氏が遺跡の踏査活動を開始する1973年より前に発見されていたことが明らかな14遺跡(北馬場壇・大森西・城山A・成田山・安沢・大山庵・木通沢・丸山・村山・西天王山・三太郎山・新堤上・大久保・座散乱木)、発掘調査時に藤村氏の関与がなく石器検証でも不自然な痕跡のある石器が全く認められなかった3遺跡(名生館官衙・薬莱山No.8・薬莱山No.17)、および他機関による検証調査結果から確実に旧石器時代の遺跡と認められた2遺跡(山田上ノ台遺跡・富沢遺跡)の計19遺跡と判断される。これらの遺跡で確認されている石器はいずれも後期旧石器時代のものである。
(2) 他の129遺跡については、中にその遺跡本来の石器が含まれている可能性は残るものの、遺跡発見の経緯、遺跡の現地調査、石器検証、他機関による検証調査結果からは旧石器時代の遺跡とする積極的な根拠は見出せなかった。
(2) 他の129遺跡については、中にその遺跡本来の石器が含まれている可能性は残るものの、遺跡発見の経緯、遺跡の現地調査、石器検証、他機関による検証調査結果からは旧石器時代の遺跡とする積極的な根拠は見出せなかった。
2.藤村氏関与遺跡の取扱い
今回の検証調査の結果を踏まえた、県教育委員会としての藤村氏関与遺跡の取扱いについては以下のとおりである(表8)。
(1) 旧石器時代の遺跡と認定される19遺跡については、従来どおり旧石器時代の遺跡として取り扱う。
(2) 旧石器時代とする積極的な根拠は見出せなかった129遺跡については、旧石器時代の遺跡としては取り扱わない。このうち縄文時代以降の遺物が認められる101遺跡については、旧石器時代以外の遺跡として登録を継続する。また、旧石器時代の単独遺跡として登録されていた28遺跡については、平成15年4月1日付けで上高森遺跡(平成13年12月26日付けで登録抹消済み)を除く27遺跡の登録を抹消する。」
世の中には、藤村捏造だけで、すべての考古学分析はまったく信用しないという極論
をふりかざす一部極論者もいる。けれど、検証は常になされていて、そこまで見てあ
げる好事家は、実は少ないのかも知れない。
一事が万事的な、そういう軽率な決めつけを筆者は好まない。
朝ドラの、商品試験を観ていても、あるいは高畑祐太君の事件をながめても感じるこ
とだが、昨今の若い世代は、いま少し、世論、マスコミ論調に慎重になっていいので
はないか?商品試験で反省し、よりよい商品を作ろうと発起したメーカーは、ちゃん
と再検証で認めてあげねばなるまい。また、その実験の公正さを証明するなら、公開
試験をするのは当然である。高畑君のケースは、一旦刑事告発しながら、なぜ弁護士
との接見はないように言われ、さらになぜ疑われてしまいかねない示談で当事者
が済ませる必要ができたかについて、慎重に観てやらねばなるまい。そのように、
世間の、あるいはマスの言うことには常に虚実があり、受け取る側の?とともに、
常に物事は慎重に、時間をかけて見直す態度が必須である。
ここに書かれている検証では、あの事件で「旧石器遺跡ではなかった」とされた遺跡
群は再検証の上で縄文(新石器)遺跡へと置かれなおしている。それはそこが古代遺
跡であることに変わりはないということなのだ。旧石器遺跡ではなくなっても、変わ
らずに大事な遺跡なんだということだ。そこは忘れてはいけない。
考古学は捏造した。
確かにそうだ。
だがそれをやってしまった人間は、あくまでもたったひとりの「非専門家」である。
それを以って、すべての考古学を信用しないというのは、あまりにも極論である。
それがひいては考古学がその生きる世界である科学検証そのものすべてまでも否定されてしまうとなると、ではいったい私たちはなにを以って検証すればいいのかという、真相解明の大地盤までも失ってしまう着想になる。
間違いを指摘されたなら、再検証すればよい。そして、再検証の結果をマスはちゃんと報道しなければならない。