最古の石器と最古のデザイン
■最古の石器オルドワンの登場は260~250万年前
これがオルドワン石器と呼ばれる、礫を打ち割って鋭い刃を持った道具である。
その時代の人類はアウストラロピテクス~ホモ・ハビリスの移行期にあたる。アウストラロピテクスはまだ猿人、ホモ・ハビリスは初期原人である。どちらかといえば、その頃すでに原人に進化していたホモ・ハビリスこそが当事者だと筆者は思う。
彼らは最古の焼けた土の痕跡が出る180万年前以前から、道具を使っている。
これがオルドワン石器と呼ばれる、礫を打ち割って鋭い刃を持った道具である。
その時代の人類はアウストラロピテクス~ホモ・ハビリスの移行期にあたる。アウストラロピテクスはまだ猿人、ホモ・ハビリスは初期原人である。どちらかといえば、その頃すでに原人に進化していたホモ・ハビリスこそが当事者だと筆者は思う。
彼らは最古の焼けた土の痕跡が出る180万年前以前から、道具を使っている。
しかし、その道具には磨き上げたり、わざわざ左右対称にしたりといった不可思議な意匠の意識は見られない。
■アシューレアン石器
ハビリスから進化したホモ・エレクトス(全人類の祖先)が生み出した石器である。これが165万年前。場所はもちろんアフリカ。
両面を薄く打ち欠き、ヘリを刃にした道具で、ハンドアックス(握りオノ)、クリーヴァー(メス状切開ナイフ)などを造った。
ハビリスから進化したホモ・エレクトス(全人類の祖先)が生み出した石器である。これが165万年前。場所はもちろんアフリカ。
両面を薄く打ち欠き、ヘリを刃にした道具で、ハンドアックス(握りオノ)、クリーヴァー(メス状切開ナイフ)などを造った。
イメージ 2
画像出典→http://tanbo.exblog.jp/i1/2/
■新アシューレアン石器
約60万年前。
オノの中に、特に丁寧な作りが見られるようになる。
造ったのはホモ・ハイデルベルゲンシス(中近東人・欧州人の祖先)だろう。
完璧な左右対称形で、極めて肉を剥離しやすい薄い刃を持つ。
それらは道具によって作られた道具である。猿人の造ったような、直接石を石にあてて作ったものとは次元が違う。
こうしてヒトの造る道具は、単なる機能としての道具をついに超える。
彼らの時代は25万年前まで続く。
ビッグバンまでまだ20万年の時間がある。
民族学伝承ひろいあげ辞典 人類のビッグバン アジア人の祖先を探せ
オルドワン石器
そう言われなければ道具とは見えない。偶然割れた石っころのよう。
しかし部分的に磨がかれて光っている。
オルドワン石器は旧ソ連黒海の南東にあるグルジア共和国のドマニシ遺跡で見つかった世界最古の石器で、その作られた年代は海部陽介によれば185~178万年前だが、250万年前にはすでに作られはじめ2万年前ごろまでアフリカやアジアで使われた。製作者は原人ホモ・ハビリスなどだったと考えられている。アフリカの大地溝帯(オルドヴァイ峡谷など)で遺跡とともに最古の石器が発見されているという。ドマニシ遺跡ではこれが出た地層のすぐ上部で原人の骨が見つかったいるので、ホモ類=原人が作った石器であったことが証明されている。これを便宜上ドマニシ原人と呼ぶ。
この最古の石器の、人類史における意味合いは、われわれ新人=ホモ・サピエンス(クロマニョン人)や旧人ネアンデルタールやデニソワ人がアフリカを出る以前に、すでに原人はアフリカを出て黒海に到達していたということだ。
なのになぜ同様の石器は、グルジアよりもアフリカ寄りの場所で発見されないのだろう?理由は中東の政治事情であろう。戦乱・内乱の代々続く途中の地域で新たな発掘はそうそう期待できない。発掘が少なければ当然発見も少ない。それどころかテログループは地上の遺跡を破壊してゆく。地下深い場所だけは無事であることを期待して、あとの時代を待つしかない。きっと目からうろこが落ちるような膨大な発見があるはずだ。アフリカでは人類発祥の地といわれるオルドヴァイ峡谷がある大地溝帯
(グレート・リフト・バレー)からいくつか発見されるから、それが中東地域で発見されないはずはないのである。
旧人の道がシナイ半島経由のレバントコース、新人の道がアラビア半島経由の西アジアコースであったことは核DNAゲノム分析でわかっているが、原人最初のドマニシ人コースがあったことになるわけだ。
最古のデザイン(意匠)
7万5千年前のオーカー片に刻まれた交差する斜線(オーカーとは粘土)
オーカー製顔料製造工場は10万年前からhttp://blog.livedoor.jp/nobukazukawai/archives/3611918.html
ナショ・ジオ 人類最古の絵の具工房http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5030/?ST=m_news
最古の化粧品
顔料がはりついた貝殻パレット10万年前ブロンボス
「オーカー粉を水に溶いたらしい貯蔵用の2枚のアワビ貝殻が見つかった。貝殻のそばには、オーカー、動物骨、木炭、珪岩の磨石、ハンマー石があり、顔料製作の道具一式と見られる。オーカーをハンマー石を用いて磨石上で砕き、それに木炭片やアザラシの油脂などを混ぜて顔料を製作し、出来上がった顔料をアワビ貝殻に移してかき混ぜていたらしい。かき混ぜる時や顔料を貝殻から出す際は、骨が使われたとみられる。
水を混ぜたオーカーの用途は不明だが、身体装飾か肌の保護にしていた可能性があるという。
貝殻の発見された石英堆積層年代は、光励起発光(OSL)年代測定法により約10万年前と推定された。近くにはその他の考古学的遺物がないことから、この場所は主に工房として使用され、顔料が完成してすぐに使用されなくなったのではないかと推測されている。」上記リンクサイト
水を混ぜたオーカーの用途は不明だが、身体装飾か肌の保護にしていた可能性があるという。
貝殻の発見された石英堆積層年代は、光励起発光(OSL)年代測定法により約10万年前と推定された。近くにはその他の考古学的遺物がないことから、この場所は主に工房として使用され、顔料が完成してすぐに使用されなくなったのではないかと推測されている。」上記リンクサイト
デザイン、絵の具、化粧品、下のネックレスなどが全部ホモサピエンスのものかどうかは「?」ではないか?旧人ではない?ブロンボスの現場には新人の遺物らしきものがいろいろ出るが。
最古のネックレス
ブロンボス洞窟出土巻貝製玉飾り 7万5千年前 南ア・ブロンボス
最古の絵
インドネシアのスラウェシ島4万年前弱?
「インドネシアのスラウェシ島にある田園地帯で、世界最古の洞窟壁画が発見されました。スラウェシ島の壁画が発見されるまで「世界最古の洞窟壁画」として知られていたのはスペイン北部のエル・カスティージョ洞窟にある、約3万7700年前に描かれたものと考えられている壁画。」
似たものは1万6千年ばかり前のアメリカフロリダ州にもある。同じ人々か?海を越えた人々。
最古の海を越えた人類はホモ・フローレンス人である。3万年前?ボルネオまで行けた。しかしなぜかオーストラリアには渡っていない。渡れたのはのちのアボリジニ。