本日二つ目の記事。
あとひとつ書きます。
中国で言う「万里」とは?
「万里の長城はなぜ「万里」なのでしょうか?『山海経』の世界観では、中国は「方三千里」を前提に、四海(東海・西海・南海・北海)の東西は「二万八千里」、南北は「二万六千里」と考えられていました。」
※すなわち『山海経』第五中山経に「天地の東西は二万八千里、南北は二万六千里」とある。『呂氏春秋』審分覧篇には「舟車の通ずる所は方三千里」とあり、
また同書有始覧篇には「四海の内、東西は二万八千里、南北は二万六千里」とある。
それが古代中国が認識する国土の限界であり、訳を通ずる異国のすべてであった。
すると、魏志倭人伝で不弥国から突如として里程が日数に変わる理由は、
「帯方郡から邪馬台国までの「一万二千里」というのは実際の距離ではありません。このように途中に「水行」「陸行」の表現を加えることで、四海のはずれを示す記号的数値になっており、魏王朝の間接的な支配が及ぶ限界の地という意味をもたされていました。都を中心として東に帯方郡が位置する5000里、西に敦煌が位置する5000里と言う領域があり、さらにそこから一万二〇〇〇里行った邪馬台国が、ぎりぎり中国の支配が及ぶところではないかと考えられます。「郡より女王国に至る、万二千余里」の記載を前提とすれば残りはわずか一三〇〇里に過ぎません。にもかかわらずそこから突然「水行」とか「陸行」という言葉に変わります。東夷伝序が冒頭に引用する禹(う=夏王禹)の事績について、『史記』夏本紀には、禹が天下の土を治め、山をめぐって標識を立て、九州(中国の九つの州のこと)内部の未開の地の交通整備をしたという伝承があり、それによれば交通整備前の九州は、中国国内のような「舟車の通ずる所」ではなく」未開地だったことになる。(仁藤敦史「卑弥呼の共立と魏王朝・公孫氏政権」『纒向発見と邪馬台国の全貌』2016所収より)
ということはようするに、中国から見れば北部九州海岸部くらいまでは畿内であり、奴国あるいは不弥国より外の世界は全部未知の土地だということである。だから水行何日とか陸行何日とかの数値は「らしい」の世界なのである。
つまり行ってません、知りませんがね・・・である。
土地範囲を決めた祖神である禹王がそう決めているのだから、それ以上外は他人様の土地であり、中華思想では勝手には踏み込めない距離なのだ。
だから、中国ほどの大国が、開闢以来、なぜか西欧諸国のような他国への侵略をしなかった理由もわかるのである。しかし、現在の共産党中国では、過去のきまりごとなどは意味をなさない。だから今は、金もできたし、当然のごとく他者の土地を奪ってもいいし、勝手に領海を侵して太平洋へ「張子のトラの空母」などを船出させて、永年の内弁慶のうらみをはらしているわけだ。
だから、彼らは今有頂天の最中なので、無視するほうがいい。そのうちトランプやEUの制裁を受けることであそこは経済がぽしゃる。待っていればよい。ロシアも同じ。ロシアは本当に金がない。だからトランプをどうしても当選させたかった。そこで相手の誹謗中傷をどんどん流した。でトランプが当選したので、制裁が弱まると踏んで、それまで唯一すりよってくれていた日本との交渉を、一転して遅刻でやんわり一旦据え置きにしたというわけである。
トランプは四年ももつまい。
ツイートしたとおりにやったら中国と戦争することになりかねない。
前に書いたように、進化や宇宙の誕生のように、あらゆる新しい事象は、特定の個人や国家によって計画された通りには運ばない。すべては実は不特定多数の民意が動かす自然淘汰なのだ。トランプの政治はナショナリズムだけを昂揚させ、ポピュリズムは鎖国思想、閉鎖思想、排他思想ばかりを助長する。しかし、それだけだと敵対するばかりだ。またせんみつ屋や的屋のごときディール=取引中心のココロがない「それがしたければ金を出せ」的な考え方は、まるでやくざのみかじめ料恐喝であり、やがては粛清されるはずである。こうした暴力団まがいの、まるで西部劇の野盗のごときふるまいが続けば、市民がうんざりする。アメリカは今でも段違いの経済力と戦力をもち、敵等いない存在である。そういう警察がやくざのまねをするような政治が続くはずもなかろう。そうなれば、振れが大きくなってまたグローバリズムが復活し、EUもかえってつながりが深まると思える。