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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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京都ディープ5 五条松原道祖神社、双体道祖神とは何か?

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京都に道祖神は多い。
有名なのは神社になっていて、下京区には二箇所ある。
ひとつは京都駅すぐ西の塩小路堀川角にある道祖神社、もうひとつは松原通りにある松原道祖神社。




松原道祖神社
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松原道祖神社

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地図



京都駅前道祖神社
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道祖神社にはいずれも猿田彦とアメノウズメが祭られている。
なぜこの二人なのかご存知だろうか?

日本神話で猿田彦命は天孫降臨のナビゲータとして登場する。そしてアメノウズメは彼の妻になった女神。二人は夫婦神である。アメノウズメは伊勢の猿田彦神社で猿女君(さるめのきみ)氏の祖として祭られている。

猿田彦は多くの古い祭で、みこし行列の先導者として常に先頭を歩く神である。アメノウズメはアマテラスがスサノオのしうちに怒って岩戸に籠もったときに、ストリップ・ダンスを踊って誘い出した女神。

この夫婦神以前で、神話が大きく扱うのはイザナギ・イザナミ夫婦だけである。いや、あるいはアマテラスとスサノオも、ある意味姉弟夫婦。イザナギ・イザナミも兄弟なのでいずれも近親相姦夫婦なのである。しかし猿田彦とアメノウズメは他人夫婦。それで旅の道しるべとなる庚申さま=道祖神にはこの二人が選ばれた。


長野県に多い双体道祖神が京都駅前道祖神社にもある。

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なぜ夫婦神が道しるべに置かれるのか?
京都は平安京になって碁盤目のようになってしまうが、かつては十字路ではなく、そこはおそらく八十衢(やちまた)、つまり三叉路や丁字路(ていじろ=T字路)や複数交差点である。それが区画整理されたから、道祖神のように平安京以前からあっただろう位置がおかしなところになってしまう。しかし往古はまず分かれ道の神様だったのである。

三叉路が一番分かりやすかろう。道が二つに分かれている。ふたりで旅していたら、どっちかわからない場合、二手に分かれて進む場所。つまり別離の聖地が三叉路だ。
さらに三叉路には、木の股や河川合流と同じ出産、地獄極楽への入り口という意味があった。これは記紀以前からあったものだ。世界的にそうなのだ。

三叉路は人生の分かれ目にもたとえられ、そこにはヒトのあらゆる思いが集中する。いわば詩人がよく題材にする駅や郵便局などのように、あらゆる土地からヒトが来て、あらゆる方向へ去ってゆく、生死が同居するのが分かれ道なのだ。

そこに庚申様がおかれたのは、ナビゲータだったからで、その後それが夫婦になったのは、別れたくない思い、ともに別れず同じ道を歩みたいという願いからだろう。

松原道祖神社もきっと平安京以前には、そこは十字路ではなく三叉路だったのでなかろうか?京都駅前の道祖神はT字路にあるが。

松原通は実はもとは五条通。今の五条通はのちにできた。その証拠は松原橋から清水坂があって、そのまま清水寺へ通じていたからだ。清水は古くは水の聖地だったが、坂上田村麻呂が東北蝦夷の霊魂を祭ったために、水=誕生、鎮魂=死という、庚申様と同じ表裏一体、彼岸とかがんの同居するアジールであり、しかも山を越えれば東国へ通ずる異界への入り口だった。それで松原界隈にそれらの施設は作られる。

地形もある。晴明で考察したように、五条鴨川は河川が二手に分かれて、中洲があった場所だった。出会いと別れは鴨川にもあった。だから五条には六波羅、愛宕神社、異界の入り口という「あわい」の土地になっていったのだ。そのために松原は産婆と堕胎医者がこれまた生死が同居する土地でもあり、さらには異界のヒトであった河原者たちが巣食う六原でもあったわけである。




京都駅前道祖神は、筆者には懐かしい道である。堀川大宮にあった大学の文学部から、歩いて京都駅まで、途中の資生堂や向こうに見える種のタキイの看板絵を見ながら、二階にひっそりあった喫茶POOでココアを飲んだり、京都駅前ビルで買い物したり、彼女のウインドーショッピングにつきあったり・・・。今考えてみれば、塩小路堀川のT字路も、人生の出会いの場所だったのだろう。そこに隠れるようにあった道祖神に導かれ、無意識に二人も夫婦となった・・・。そして別れ・・・。


道祖神社、ぜひ、京都へ行ったときはどちらかへ寄ってみて欲しい。特に松原は安倍晴明ゆかりの土地である。宮川町にあった法城寺と晴明塚跡へゆかれればなおよかろう。前回書き忘れたが、五条大橋中島法城寺に晴明は最初葬られたと記録にはちゃんとある。そこが本当の墓所である。そして六波羅蜜寺、空也寺、建仁寺などなど、生と死、異界の入り口であったことを堪能していただきたい。特にこれからともに暮らそうと思う若い二人におすすめする。猿田彦とアメノウズメのように夫唱婦随、仲良く過ごせることを・・・。








ただし・・・
道祖神は陰陽道や密教では、裏側に後戸の神・摩多羅神がいる。それは猛悪大明神のマハー・カーラ=大黒天なの別れはつきもの・・・いひひひ。


























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