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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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世界史的国際結婚

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国際結婚は歴史的にけっこうある。
 
(いきなりなんだと言うなかれ)
 
◆ハプスブルグ家
ルドルフ一世のあと、アルフレヒト一世~フリードリヒ一世~マクシミリアン一世と継承された血脈は、ブルゴーニュ公国のマリアをの国際結婚を選択した。さらにその皇子フィリップもまたスペインのファナと結婚。これらによって領土を拡大していく。
これは政略結婚が歴史的に、帰順=婚姻であったことを語っている。
 
◆「和蕃公主」
中国でも異民族の王族から何度も妻を娶っている。これを和蕃公主(わばん・こうしゅ)と言う。
漢代の武帝の兄の孫娘・劉細君(烏孫王に嫁いだ)、あるいは王昭君、唐代の太宗の養女でチベット王に嫁いだ文成公主」などが例である。
 
 吾が家 我を嫁がす 天の一方
 遠く 異国に托す 烏孫王
 窮慮を 室と為して せんをしょうと為す
 肉を以って 食と為して 酪をしょうと為し
 居常 土を思ひ 心 内に傷め
 願わくば 黄鵠と為りて 故郷に帰らん
 
この詩のように、劉細君は数奇の人生の址、故郷孫と伴に漢に帰る。
 
あたかも幕末の皇女和の宮のごとき、蛮族に嫁ぎたくなかった心が見える。
この「願わくば黄鵠となりて故郷に」という表現は、ヤマトタケルの白鳥になって故地へ帰らんとした慙愧を表現する定型文と言える。
 
ひるがえって、記紀の系譜にも、いくばくかの海外、あるいは蛮地からの妻が記録される。
それらのすべても、海外の歴史上の例にもれず、すべてがヤマトに対する帰順の証なのだと文献史学では決め付けてしまう。果たしてそうだろうか?
 
記紀の書き方には、決して世界共通とはいえない、政略結婚が隠れているのではあるまいか?
 
記紀という史書への絶対的信頼、ヤマト朝廷が古くから続く大王家、そうした先入観から決め付けてはいないか?
 
むしろ記紀は、そう書くことで、いや書いているだけ。
書くことによって地方豪族を取り込んだのだといいたいがために記紀は存在する、と考えると、その実像ははなhなだ疑わしくなってくる。
 
文献史学は、その最初から、考え方をあやまってきたのではないだろうか?
記紀というヤマトにとって都合のいい話ばかりでできあがったつぎはぎへたうま文献。
そこには先のすべての王朝を平らげて成立したヤマト王朝という押し付けが充満している。
 
なぜ、そこに書かれた系譜そのものを疑うことから始めようとしないのか?
そう書かなければ地方が納得しないからだ、となぜ気づかないのか?
 
こういうのが日本の規定の「歴史観」である。
世界から隔絶していた世界なのだ、日本の古代~近世は。
記紀を信じすぎてはまともな歴史観はめばえまい。
嘲笑。
 
参考文献 荒木敏夫『古代天皇家の婚姻戦略』
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