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鹿島様/草似王

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鹿島様(かしま・さま)
 
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「鹿島様は武神(いくさがみ)を象徴した藁人形で、東北地方の村落に多く祀られているのだそうです。
村落の入口に置いて、邪悪な霊や疫病の侵入を防ぐ目的があるという点では、道祖神に似ています。」
 
いろいろと説はあるが、一言で言えば「村内に訪れる疫病などの災厄を、村の入り口で防ぐ未知の神」(畑中章宏2012)。人の形にワラで作った巨大な道祖神、塞の神だと言える。
 
秋田県に多い。
秋田県の鹿島祭り一覧
 
秋田県湯沢市旧岩崎村では、今の栄町に一体、末広町に一体、緑町に一体の三体が、それぞれ北南西の入り口の守護神として置かれる。
この道祖神は、衣替えがなされるときに簡単な酒宴を開き、それを「鹿島まつり」という。
ワラはかつては各戸から一把ずつ持参していたが、今ではワラも少なくなってわざわざ購入しているのは、全国神社の注連縄と同じである。
伊豆・房総に多い鹿島踊りが東北にあるかどうかは知らないが、どちらにせよ茨城県の鹿島神宮のタケミカヅチを象った、最初は地震封じの魔よけだったかと思える。
 
◆鹿島信仰
江戸時代全国に広まった地震よけ行事各種の総称
 
鹿島人形
鹿島流し
鹿島踊り
鹿島送り
鹿島様
 
など、人形を立てる祭りや、踊り、さらには人形を川に流すなどの形態が、関東から東日本一帯に存在する。
いずれも鹿島神宮を大元にした民間信仰である。
菅江真澄『軒の山吹』に秋田で、文化七年1810に大地震があって、以来、地震がない(それまでは少なかったのだろう。しかし房総から茨城、福島は地震が実は多いので、当時の迷信である)鹿島神宮を慕ってか島流しという舟祭りがさかんになったとある。
 
鹿島様はその鹿島人形の秋田における尊称である。高さは3~4メートルに造る。こういう巨大な人形を祀る風習自体は全国に存在する。鹿児島県大隈半島には熊襲の首領だった川上聖大人があるし、伊豆の大仁の地名もやはり大きな山の神に由来したものだろう。一般的にはこれらはダイダラボッチ、ダイタと呼ばれる。
 
ダイタは古墳時代の九州地方の石人にその前例があり、死者の遺骸を守る魔よけから始まったと考えられる。
菅江真澄はこれらを「草似王」「鹿島人形」として紹介した。江戸期にはこれらは厄病除けの神に変化し、「かしま」「におう」「しょうき」「どんじん」などとも呼ばれて、さまざまな厄除けの怖い神の名前で呼ばれている。
特殊なのは菅江がコレクションした「草似王」で、その由来や地域が気になる。(『雪の出羽路』)
 
こうした道祖神や儀式は、どうやら鹿島だけでなく西九州の精霊流しや鄙流し、塞えの神信仰、猿田彦などが入り混じって、西から伝わった結果ではないかと見える。
 
いずれにせよこうした道の神の大元はすでに古墳時代から存在したもののバリエーションであり、江戸時代までに全国に同じような形態と魔よけ信仰が伝わり、各地に影響を残したといえる。
 
 
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