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記憶に新しい国道168号線での地すべりシーン
『古事記』神代 スサノヲの尊天下り・八俣の遠呂智退治すのこと
爾(ここ)に「汝等(なれども)は誰ぞ。」と問ひ賜ひき。故、其の老夫答へ言(まを)しけらく、「僕(あれ)は国つ神、大山津見神の子ぞ。僕(あ)が名は足名椎(あしなづち)と謂ひ、妻(め)の名は手名椎(てなづち)と謂ひ、女(むすめ)の名は櫛名田比売(くしなだひめ)と謂ふ。」とまをしき。亦「汝(な)が哭く由(ゆゑ)は何ぞ。」と問ひたまへば、答へ白言(まお)しけらく、「我が女は、本より八椎女(やおとめ)在りしを、是の高志(こし)の八俣の遠呂智(おろち)、年毎(としごと)に来て喫(くら)へり。今其が来(く)べき時なり。故、泣く。」とまをしき。
爾に「其の形は如何(いかに)。」と問ひたまへば、答へ白しけらく、「彼(そ)の目は赤加賀智(あかかがち)の如くして、身一つに八頭八尾(やかしらやを)有り。亦其の身に蘿(こけ)ち檜椙(ひすぎ)と生(お)ひ、其の長(たけ)は谿八谷岐八尾(たにやたにをやを)を度(わた)りて、其の腹を見れば、悉に常に血爛れたり。」とまをしき」
「おろちの姿は「目はホウズキのごとく真っ赤で、身ひとつだが頭と尾は八つあり、は苔むして、背には杉・ヒノが生え、その長さは八つ又の谷を越えるほどで、その腹は常に血でただれている。」
目はホオズキのように真っ赤・・・「かがち」と表現しているのがホオズキの古語だとされるが、「加賀地」とはぎざぎざしてとげとげしい断崖絶壁。大分県豊後高田市に「かかぢ・かかぢ」という地名あり。吉野裕子は「かがち」は「蛇」であるとする。「かが」は海蝕崖や洞穴=目のあるような崖を指す(かがのくげど)。海岸に迫る崖がある。ホオズキの赤い実をした大蛇とは、そういう大怪我しそうな崖であるか?あるいはその原生林の中に点々と見える真っ赤なハゼやナナカマドの紅葉であろうか?
身はひとつ八頭八尾・・・山塊の尾根と谷を言い表している。
身は苔むして・・・まさに山を覆う苔
背にはスギ・ヒノキ・・・動画そのままに、森が動くのが地すべり。「山が動いている」とはこのこと。木々は大きく揺れ、大蛇動くが如しである。
腹は血でただれたように真っ赤・・・一般に出雲の緋の川に、降雨時に滲み出てくる砂鉄成分、赤土成分の表現。
そして謎の「古志からくるオロチ」・・・古志とは越前の水沼の海士つまり諏訪の蛇神タケミナカタである。これをスサノヲが退治することでタケミナカタは出雲へ翡翠をもたらすよき神、妻となる。その前身は筑紫の安曇であろうか。出雲海人族と有明海人族の争いがあっただろうことは甕棺の戦争遺体や、鳥取青谷などの遺跡で想像できる。そしてオオクニヌシと義兄弟となる。
まさに出雲のみならず、葦原中津国の治水王の伝説である。