これまで日本でも何回か再放映された中国魏武王墓の発掘情報。昨日、先月も再放送があったから、見られた方も多かろう。吉川浩次が訪問。
その王墓について、中国考古ファンのあいだで、いくつかの疑問が指摘されている。
「曹操の墓」に4つの疑惑、石碑の「魏武王」の文字に疑問
河南省安陽県安豊郷西高穴村で発掘された後漢時代の墓が、2009年12月27日に曹操の陵墓「高陵」だと確認されて以来、疑問の声が絶えず上がっている。そんな中で安徽大学歴史学部の張子侠教授は4つの疑問点を指摘した。チャイナネットが報じた。
1.文献で記載されている位置となぜ違うのか?
古くから曹操の墓は72基の偽の墓があるといわれるほど墓の場所は謎に包まれているが、曹操の息子の曹丕が曹操の葬儀の過程を記したものは信ぴょう性があり、それによると曹操は丘に埋葬されているとある。しかし安陽には丘の地形は見当たらない。
2.なぜ周辺には大臣の陵墓がないのか?
曹操は大臣の中の功労者の陵墓を自分の陵墓周辺に設置すると文献には記載されているが、今回確認された「曹操の墓」の周りにはそうした陵墓が一つもない。
3.どうして出土した石碑には「魏武王」の文字が?
今回出土した石碑の8つに「魏武王」の文字が見られる。「魏武王」は曹操の死後に贈られた諡号(しごう)であり、墓の中で見つかるのは非常におかしい。出土した品にも「魏武王」の文字が多く見られるが、これらはわざわざ刻んだものではないか。
4.印章や墓誌はどこに?
墓の主を証明できる最も重要な証拠である印章と墓志はまだ見つかっていないため、墓の主の身分がはっきりしていない。この墓は何回も盗掘されているが、没収された文化財の中には印章などもなく、どこかでそうしたものが見つかったという話も聞かない。(編集担当:米原裕子)
ほかにも疑問を取り扱った記事もある。上記記事ページの下に関連リンクあり。
まず日本人から見て、中国の考古学、考古遺物などの扱い、あるいは古物商取引などの状況をつらつらながめると、日本や西欧ほどには信頼できない部分はあるということは否めまい。この墓から出たとされ、発掘のきっかけとなった石製墓誌(位牌にあたるもの)についても、出所が例によって怪しい。盗掘品が露店で売られていた、それを見た学者がこれは?と感じて発掘につながる・・・・
なんだか以前聞いたような気がする・・・?そうそう、三角縁神獣鏡が中国でも出たという話題だ。あれも古物商がたまたま売っていたとかいう代物。どちらも発掘された遺物ではなく、盗品である。つまりそれが確かにその土地、その墓のものかが証明できない代物ばかりである。思うに中国ではまだ充分に考古学の重用品というものの定義にびしっとしたものがないのだろう。なにしろコピーの国のことでもあるし・・・。ご丁寧に八つもの「魏武王」文字がこれでもかというかっこうで放り込まれてるのは、確かに怪しい。
もうひとつ大事なことがある。曹操の頭骸骨が踏み割られており、あるべき奥室からでなく、遺品を置いている前室から出て、しかも肝心の顔面部分がなく、あとからそれが踏み割られ粉々にされた痕跡だけがあったという話。これまたややできすぎた「演出」ではないかという疑問である。
とにかく中国の発掘には、商業主義の影が見え隠れするので、この王墓も、にわかに曹操本人のものだったかの判断は時間を待つほうがいいかも知れない。
日本の考古学者は、顔を念入りに踏み割られた理由として戦記小説『三国志演義』における曹操悪人という表現が、本家史書である『三国志』の曹操正義を上回る傾向が、そういうことを盗掘者にさせたのだろうと語っていた。そうした傾向は日本の三国志ファンにもかなりあることは間違いない。小説でしかない「演義」のほうが、当然、民衆の耳目には触れやすいのだから、正史で漢文も難しい『三国志』を上回って常識化しているのは間違いあるまい。だから大半の中国人は曹操=悪、孔明=正義ととらえている。しかし正史では実は真逆の書き方をされている。
そういうことはなかなか大衆にはつたわらない。固定観念がいまさら受け入れさせないわけである。考えたら『三国志演義』も罪作りな書物だとなろうか。
ただ、正史がひとつ前の王権についてあとの王権が記録するのが中国の記録の特徴なので、客観的にながめて書かれるというのが大方の意見でもある。ところがそれだって真逆に、曹操に大儀があったと書くこと自体が、ある種の脚色がなかったとも言えなくないのである。ややこしいね人間の解釈は。
魏を受け継いだ西晋の王は、曹操の参謀だったあの有名な司馬仲達=司馬 懿(しば い)の子孫であり、
魏の悪口はそうそう書かないだろう、だから曹操は大儀と正義のある人物に違いない・・・これまではそういうとらえ方で正史『三国志』も扱われてきた。これは日本でも、中国の正史に出てきている倭人記事には信憑性があるはずだと、してきたわけである。しかし?
ところが人の書くこと、言うことには、実は常に客観的でない、うそが満ち溢れているものである。どこまで信用していいかは、まずわからないというのがよい。
盗掘を受けてひどい目にあった王や天皇で思い出すのは、最近ここでも扱った持統天皇の遺灰撒き散らし事件がある。彼女にも政敵はあり、当然、そういうことをやらかす反対勢力によるしうちという見方だってあるということを書いた。
もちろんこれも憶測でしかないが、数百年ほどたってから、やっとそういう意趣返し?ができたというのもむしろけっこう信憑性が感じられないか?その時代ではできないこと、彼女の影響下の政権が続いている間にはそういうことができないが、転覆すればやってもおかしくない、とも思える。
同時に、魏武王墓の場合は。わざとそういうことをやって世間の耳目を集めようと言う、現代のしわざであることもあるかもしれない。死者はかわいそうなものである。文字通り「顔をつぶされた」かっこうになってしまった。
曹操の墓や、日本の天皇の墓の位置を、記録が明確にしたくない理由も、実はそうした政治的歴史的意味合いがあってのことかと思える。わざとわかりにくくしたり、あえて間違ったところをそれだと書くのは、編集者に意図があってのことだったかも知れないのである。盗掘や意趣返しがなされると困るからね。
始皇帝などは、そういうことの起こらぬように、中は水銀まみれにしてあるようだ。へたにあければ、盗掘者が激しい水銀中毒になるようにしたのかも知れない。それはエジプトのツタンカーメン王の発掘後に、関係者が次々に病気で死んでいったことにも似ている。あれはあとからの分析で、盗掘されないように細菌をしのばせてあったなどということが言われた時期があるが、それも非科学的な見方で、密閉された墓の中には死者の肉体が溶解していく過程で特殊な殺菌作用のある酵素を出すことが、細菌ではわかってきて、その酵素は生きているものにとっては危険なものでもあるというのである。まだまだこうした分析は完全なところまで到達したとはいえないので、今後の科学の進化を待つしかないだろう。
魏武王墓誌がほかのところから盗掘されて、わざわざこの墓のそばの商店で売却される・・・どうもそのこと自体がわざとらしい。普通なら盗品ははるかに遠隔地で処分されるものだからだ。だから考古学ぐるみになって捏造したところで、今の中国ならぜんぜん珍しいことじゃあないとも、かえって妙に納得していまうのであった。
こういうものは日本の古墳からも出る。それを、曹操の偏頭痛癖に合わせようという番組作りもあまり感心できないね。
マスコミは恒に権威に踊らされてしまう。そういうところがマスの危険な部分でもある。それは政治でも同じである。へたに踊らされてしまうと、捏造だとあとから指摘されかねないようなニュースはけっこう多い気もする。大衆はマスコミで踊ってしまう。そうやって先の戦争もどんどん悪化していったわけである。
考古学は物的証拠だが、専門家やマスコミの話はそこそこに聞いておくほうがいい。踊らされないことである。
どんなニュースにも、背後に「大衆操作」のわなはあると思うくらいでいいんじゃなかろうか?
じゃあ、考古学は信用できないから、おれは神社の神様のうそを暴く、まあ、そういう一時退避は趣味としていいかも知れない。ところが、小社。末社の社伝にだってうそがないとは実は言えず、それに踊らされる半生を送ってしまう人もけっこういる。
そういった意味で、昨夜の飲み会はなかなか人生勉強になった。
誰と呑んだかって?内緒。
いずれ彼がその内容をこっそりと録音したものでひともうけするんじゃないか?
これだから呑まない奴と飲み会するのは危ないのだ。やれやれ。
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