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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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東北で鬼は蝦夷そのものだった

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『民族の創出』では、東北地方の岩手や宮城で、「鬼」と言えば山奥に隠棲している異人種とされて来たが、その実態は奈良朝の九世紀に敗北した蝦夷を指していたらしい。

東北人が、明治期まで、そのように考えてきた理由は、奈良朝の教化策のせいであるという。アテルイの反乱を「反乱」と朝廷側の立場で言うように、平定後、朝廷は大量の西日本人を「屯田開発」の名目で東北へ移住させ、実は残存蝦夷たちの中にシャッフルすることで、縄文由来の血を薄め、さらに言葉、イデオロギーまで変化させるための策謀であった。
まつろわぬ者への、強制的な帰順を押し付けた結果、かなりの東北人は戦後のついこのあいだまで、鬼とはほかならぬ東北原住民である蝦夷が、山奥に隠れ住んだものどものことであり、彼らは未開の野蛮人であると信じてきたのであった。そして自分たちは鬼を滅ぼした偉大な坂上田村麻呂の子孫なのだと教え込まれ、信じてきたというのである。

このねじれた生活観はまさに勝者からの教化のたまものである。










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