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わかりやすい「日本人史」まとめその1 旧石器~縄文中期


今の日本人ができあがるまでの流れを簡単に。






1 今から約3万年~2万五千年ほど前までに、日本人の最初の祖先である先土器(旧石器時代)時代人が、つながった氷の道を南北から列島に訪問。


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2 1万6000年ほど前に※1ハインリッヒ・イベントによって起きた寒冷化(オールデスト・ドリアス期 古ドリアス期 18000年前から続く)によって、バイカル湖経由でシベリアから北海道に南下していた北方系の彼らが、これをきっかけに本州に南下し、在地先住民族と東北、関東の太平洋側で遭遇混血して縄文人へ。


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細石刃石器(さいせきじん・せっき)を持った北方系集団は、信濃川・利根川各水系以北の東日本に広く居住。先住民との緊張社会の中で混血し、神子柴(みこしば)型石斧(せきふ)、尖頭器(せんとうき)を特徴とする「長者久保・神子柴文化」を形成した。

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この1500年間には、落葉広葉樹の拡散が起こり、縄文人という比較的安定した居住スタイルの定着が可能になり、縄文人は列島全体に広範囲に拡散した。その頃に登場したのが日本最初の土器である(青森県大平山元I遺跡出土無紋土器)で、これによって16000年前から縄文時代と呼ぶ説が現在最有力になっている。


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青森県大平山元I遺跡(外ケ浜町字蟹田大平山元 )の地形と遠望。河岸段丘上にある。



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日本最古(つまり世界最古でもある)とされる無紋土器破片http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000391.html



3 12900年ほど前に、1300年間続く再寒冷期(ヤンガー・ドリアス期 新ドリアス期)が起こり、縄文人の人口は激減。以後、遊動的狩猟生活がはじまり、居住形態も後退する。

4 11600年前、気温が急上昇し始め、海面上昇(縄文海進={有楽町海進ともいう}の開始)。海進前期は海面上昇は平均2mほど。後半は8200年前の冷涼化によって平均1mとなり、上昇率が半減。以後、再び急上昇を開始。早期末にはすでに現在の海水準を3~4メートル越えて東京湾をはるかに越えて関東平野の低台地まで飲み込まれる。この状態を「奥東京湾」と呼ぶ。11500~7000年前。
現在の台地の淵に多くの貝塚が形成された。そこが当時の海岸である。東京の湾岸は、それが非常にわかりやすく感じることができる地形になっている。

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※1 ハインリッヒ・イベントが起きると氷期の寒冷状態からさらに3~6度気温が急下降する。これはグリーンランド氷床コア分析からほぼ間違いない。イベントそのものは過去七万年以上のあいだに六回確認されている。16000年前のイベントは最後のイベント(H1)である。





かくして現代日本人に直接つながる海の文化が始まった。
彼らの拡散は、他地域でも形を変えて起こり、日本全国で土器が作られ始めた。

南九州では鹿児島県霧島市の上野原遺跡に代表される貝殻文土器を伴う定住集落が。
北海道では帆立貝圧痕を持った暁式・テンネル式土器と竪穴住居が。
関東地方では早期末から前期前葉に関山・黒浜式土器と集落が。
それぞれ登場する。
内陸部でも諸磯式土器と環状集落が登場した。
東北では北緯40度線を境に、北に円筒式土器分布圏、南に大木式土器分布圏が形成。中期には約1500年間継続した三内丸山遺跡が登場。海を渡って黒曜石、ヒスイ、南海の貝殻などが情報と共に列島を縦横に往来するようになっていった。








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参考文と一部画像 安斎正人『縄文人の生活世界』



その2に続く




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