「氷河学的には、氷河期という言葉は、南半球と北半球に氷床がある時期を意味する
この定義によれば、グリーンランドと南極に氷床が存在する現代は未だ氷河期の中」
この定義によれば、グリーンランドと南極に氷床が存在する現代は未だ氷河期の中」
(Wiki氷河期)
であり、その中で過去、寒い時期=氷期と、暖かい時期=暖期を繰り返す。
よく、「また氷河期はくるか?」という質問がネット上に見られるが、これは長いスパンの地球史的な質問となる。今の氷河期の中での質問なら正しくは「また氷期は来るか?」である。つまり氷河期とは地球史上の言葉で、氷期・間氷期・後氷期などは現氷河期史上の言葉だとなる。単位がひとつ違うのである。
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現在はたまたま氷期と氷期の間の長い温暖期=後氷期であると考えられ、過去のデータからその期間は、氷期10万年単位に対して間氷期1万年単位であろうと考えられている。ちなみに後氷期とは間氷期とほぼ同意なのだが、これまでの間氷期と区別する意味で便宜的にそう言われており、かつては第三間氷期と言われていた。間氷期は古いほうからドナウ・ギュンツ、ギュンツ・ミンデル(第1)、ミンデル・リス(第2)、リス・ウルム(第3)間氷期と呼ばれる。
ただし、年縞によって過去は決定できても、必ずしも未来もそれを繰り返すとは言えない。今の間氷期もすでに1万年の基準値を超えて続いてしまっており、実際には、すでに終わっているものを人為的温暖化が阻止している状態。だから近年の異常気象の頻発する理由も、摂理と人為の相克のせいと見ることが可能である。言い換えれば今後何が起こるかわからないし、想定外の何が起きてもおかしくないことになるのである。
「人類による自然摂理の歪曲状況が現在」という説や、「間氷期はあと1万年ほど続くだろう」という説、いや「このまま人的温暖化が続けば氷期はこない」という説、あるいは「いつ氷期に切り替わってもおかしくない時期」説、極端なものでは「この温暖化は加速して進み、200年後に平均気温100度になり、南極大陸で4、50度で、人類は死滅する。」説など、学者にすら未来予想図はさまざまである。
過去数百万年に関して言えば、氷河期という言葉は一般的に、北アメリカとヨーロッパ大陸に氷床が拡大した寒冷期について用いられる(アジア地域は氷床が発達せず寒冷な地帯であったらしい)。この意味で言えば、最後の氷河期は1万年前に終了したということになる。この約1万年前に終わった出来事を、文献によっては「最後の氷河期」と記載していることもあるが、科学者の多くは氷河期が終わったのではなく、氷河期の寒い時期「氷期」が終わったとし、現在を氷期と氷期の間の「間氷期」と考えている。そのため、最終氷期終了後から現在までの期間を後氷期と呼ぶこともある。
「ミランコビッチ周期は、地球軌道パラメーターの周期的な変化が氷河作用の記録に表現されているであろうと予言したが、氷期/間氷期の交代にどのサイクルがもっとも重要であるのかについては更なる説明が求められている。特に過去80万年の間、氷期/間氷期が繰り返す周期は10万年が支配的であり、これは地球軌道要素の離心率と軌道傾斜角の変化に対応しているが、ミランコビッチに予言された3つの周期の中でははるかにもっとも弱いものである。
300万年前~80万年前までの間、氷河作用の支配的なパターンは、地軸の傾き(傾斜角)の変動の4万1000年周期に対応していた。一つの周期が他のものより卓越する理由はまだ理解されておらず、現在重点的に研究が行われている分野であるが、その回答は、おそらく地球の気候システムの中で起こる共鳴現象と関係すると予想される。」
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地球の共鳴現象のテクトニクス(上記共鳴現象のリンク先)
簡単な思想史で言うなら、ミランコビッチは地球の寒暖は一定周期で繰り返されるという考え方であるが、実際の宇宙や地球の将来は誰にもわからないのだというのが最新の見方になってきた。現在は歳差運動によって一旦引き起こされた気候変動は、地球を経巡る間にゆっくりと、津波のように共鳴しあい、まだこれから大きな時間単位で揺れ動くというのが今の見方である。つまり予測不能。
このように、いくら気象統計をとったところで、宇宙も地球環境も永遠に予測不能であることはあきらかで、過去のデータは地球自身の歴史でしかなく、当然地球も成長し、そして衰滅する物質でしかないのだ。成長によって当然、環境もどうなるかわかるはずがない。したがって人類ごときが、環境変動や大地震、火山爆発、台風などの大災害を事前に推測することなど、到底できるはずがないだろう。これまでの学説そのものが、せいぜい数万年単位のデータでしかなく、地球の45億年の歴史すべてがわかったわけでもない。そういった意味で、いまだに、これからも、地球も宇宙も「神」のままなのである。
次回、日本人史その2 縄文後期~弥生・古墳時代まで
いよいよ「倭人」の登場