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Channel: 民族学伝承ひろいあげ辞典
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継体はいなかった、磐井は反乱しなかった、欽明が伽耶・百済を新羅と共に滅ぼした

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考古学で継体大王の今城塚古墳と相似形と言われている古墳 想定被葬者
大阪府高槻市 今城塚(いましろづか)古墳        継体大王
愛知県名古屋市 断夫山(だんぷざん)古墳        尾張氏首長近縁者
愛知県春日井市 味美(あじよし)二子山古墳       同上
福岡県八女市 岩戸山(いわとやま)古墳         筑紫君磐井
群馬県藤岡市 七輿山(ななこしやま)古墳        上毛野氏首長近縁者


イメージ 1
今城塚古墳復元図



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断夫山古墳


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味見双子塚



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七輿山(ななこしやま)古墳



イメージ 5
岩戸山古墳復元図






いずれも6世紀、前方後円墳全盛期(中期5初頭~6後半)の墳形
「尾張型」とも言われる片側造り出しを持つスタイルを基本にしているとも考えられ、バリエーションとして左右、あるいは片側に造出しを持ったり、別区とか衙頭(がとう)と言われるいわゆる祭祀場を持つことがある。
横穴式石室。

大王・有力者墓は環濠を持つ場合もあり。
代表的古墳は大仙古墳、造山・作山古墳、誉田御廟山、上石津ミサンザイなど、いずれも大王に比定される中期初頭の古墳群と、今城塚、岩戸山、断夫山などの6世紀有力者古墳ばかりである。

今城塚と岩戸山は、同系古墳であり、埴輪と石造物の対象に類似点が多く、円筒埴輪を墳頂に並べ、さらに衙頭や別区には、盗人を被葬者が裁く「解部」に関する造形物が置かれる。埴輪や石造物では、ほかに水辺の祭祀を思わせえう鶏や鶏、力士、巫女などがおかれてあり、政治王であり祭祀王であったという点でも、継体と磐井には共通点が非常に多い。裁判する権利があったというのは、とりもなおさず彼が王権保持者だったということである。


尾張氏と継体と筑紫
尾張氏は継体大王に妃を出した東海地方の有力者であり、古くは近畿でも倭五王時代以前から実力を示してきた氏族で、さらに3世紀当初から邪馬台国連合に組した可能性もある一族である。同族は物部氏、海部氏など。関東にも勢力をのばし、日本海型前方後方墳の東海・関東での伝播元とも言われる。一方で狗奴国の主導者とも言われる。ヤマトタケル伝説では草薙劔の保管者・伝承者。物部氏とスサノヲに関与する天群雲劔やも保持したか?神武天皇を熊野でやはり剣によって救ったと記録された。海人族の長。多氏、隼人氏、各地の海部と深くえにしを持ち、関東と西国を影でつないだフィクサー。継体だけでなく、さまざまな時代に新大王を担ぐことに加担している。船を用いた海外交易の親玉。

今城塚が尾張型を基調とするのは妃・尾張目子姫による尾張氏との関係があったからである。造り出しを双方に持つ大王型古墳である。こうして尾張を中心につながりを考えてみると、継体と筑紫、東国、東海とが尾張氏で結ばれた海人同盟であったことに気づくはずである。
尾張氏は岐阜、滋賀を経て日本海福井、丹後、出雲ともつながっており、さらに琵琶湖の息長氏とともに淀川で大阪湾、瀬戸内海、さらにはもっと古くは太平洋や紀ノ川で紀州・熊野・伊勢湾や南九州までも海人族コミューンを持っていたと考えられる。



今城塚と岩戸山の連帯関係
継体大王の今城塚古墳からは阿蘇ピンク石石棺の破片が出ており、これは淀川~琵琶湖沿線で、記紀が継体先祖の息長系を言い募ることを証明する。また淀川の摂津三島地域には筑紫津神社があり、ここに筑紫津という港もあったことがわかる。石だけでなく筑紫からの貿易港だっただろう。三島一帯ではほかに安曇氏の祖先である安曇磯良(いそら)と神功皇后を祭る疣神社がある。地名三島とはおそらく茨木・高槻の淀川沿線の三角州、ないしは島があってのこともあるだろうが、御島=大王の土地という意味もあっただろう。常識的には郡名であった上中下の「島郡」からであるが、「しま」とは縄文海進で、このあたりがまだ6世紀頃まで湿地帯で、州に分かれていた土地であることが想像できる。それを治水したのが記紀大三輪神話に伝承された三島溝咋(みしまのみぞくい)氏である。「三島」地名の大元は四国水軍が祭った大三島信仰にあり、例えば鎌倉時代に頼朝によってここから伊豆に勘定された神社が三島大社である。大三島信仰の源泉は南九州霧島の神・大山積にまで遡ることができ、その娘が天孫の最初の妻になる木花咲耶姫(富士山・浅間山の女神)であるから、三島信仰は広く東国にまで伝播したことは明らかであろう。

「み・しま」の「み」は水である。「みぬま」の「み」、「みと」の「み」もおそらく水、湿地帯地名になる。ミヌマは筑後川沿線、水戸は霞ヶ浦沿線で氾濫が多かった低湿地で摂津三島と共通する。同時にそれは尾張氏のいた愛知と岐阜の湿地帯=「あはちまの海」=今の名古屋市がある湿地帯ともリンクする。継体大王が福井の三尾を母方にし、滋賀の琵琶湖東岸の息長氏を父方にし、さらに古くは神功皇后の葛城血脈もからんでいる理由は、こうして尾張氏という海人族を中心に考察するとすべてがつながってゆく。



筆者は尾張氏の源泉を霧島山のある日向地方においている。それは葛城系譜もまたそうである。

尾張氏も武内宿禰の葛城氏も、九州に最初に入った人々、縄文系海洋民だと考えている。筑紫君一族と尾張氏にはそもそもつながりがあったと思うのである。筑紫君の祖は思うに倭五王時代に派遣された出雲・吉備王族だった可能性がある。出雲には石馬があり、九州式の横口式石棺が出ている。磐井の岩戸山からも石馬、ないしは馬の鞍型の石製品が出ている。

結論として、筆者は筑紫君磐井=継体大王であると考えている。記紀はこの大和王家をおびやかす実力を持った海人族同盟体の長を、天皇と地方豪族国造のふたつに性格をわけて記録した。しかし実際には継体が「殺された」ことと「磐井が継体に滅ぼされた」のは、同じひとつの事件だったのではないか?

継体の子である安閑大王の伝承が、滋賀県の安閑神社に伝わっている。高島市は安曇川で、安曇氏地名の土地である。琵琶湖は日本海と瀬戸内海、東海をつなぐジャンクションである。琵琶湖で見ると太平洋側の尾張氏と、日本海側の海部氏が同族である謎は容易に解ける。内陸の琵琶湖に安曇地名があることや、半島海人族だったであろう和邇氏地名があることもすぐ理解できる。川は高速道路であり、琵琶湖はジャンクションだったからだ。淀川、木津川、宇治川によって、大和・難波・瀬戸内と琵琶湖はつながっているのである。ヤマトタケルは尾張から伊吹山を越えて息長のいる栗東地域へ向かう途中亡くなった。記紀がそのように、非業の死をとげる集団・・・安曇や尾張や葛城や物部や筑紫君らの古い縄文集団を代表させたかのような大王が継体である。そして継体も磐井も、百済光州と旧伽耶の一帯に人を派遣し、古墳群を作っており、継体が百済武寧王と友人であったことや、なぜか紀州の隅田八幡宮からふたりの名前が刻まれた鏡が出ることも、河川でものを考えれば高速道路のように福井から琵琶湖、琵琶湖から紀州葛城は一足飛びだったことに気づかされる。

記紀は、この藤原氏がかつぐべき新しい王家にとって都合の悪い先住大王のすべてを、同時に抹消しようとした。それが継体による磐井の抹殺=自分で自分を殺した内乱のねつ造である。筑紫の海外貿易によった既得権益と、日本海文化圏の既得権、さらには海人族を手下にしてしまい、太陽神をアマテラス信仰へと置き換えた政治的ねつ造も、すべてそれらをわが手に簒奪するための「無血の大嘘事件ねつ造」によった造作である。観念的に大和旧態氏族をコントロールしたのである。

考えてみて欲しい。息長氏を筆頭に、尾張氏、物部氏、葛城氏、出雲氏、筑紫君氏、吉備氏と、記紀が次から次へと、藤原政権以前のあずかりしらぬ大王家によってすべて滅ぼされたと記紀は書いているではないか。自分たちがやったのではなく、前の王家がやったことであり、われわれには責任はないと暗に言っているではないか。応神天皇は八幡にすりかえ九州に押し込め、出雲神や大物主は出雲と伊勢に押し込め、事実としては目先にあった天武天皇という異形の血脈を皆殺しにしたうえで、天智の娘をアマテラスにさせ、あまつさえ、アマテラスを初代女王であった卑弥呼に置き換えようとまでしているのである。

しかい、藤原氏そのものがそもそもは海人族であろう。旧勢力の裏切り者。これに立ち向かったのが吉備犬養氏族の末裔である橘氏から出た諸兄である。



継体=磐井であるならば、記紀のこの部分の記述はねつ造である。
筑紫君を殺せたのは継体ではなく、異母弟だった欽明天皇しかいない。
つまり継体は欽明によって殺された。そのことを隠すために磐井の反発をねつ造して、継体という大王を創作したのである。そして磐井を継体が殺したとした。

つまり、継体大王などは最初からいなかったのである。磐井もはんらんなど起こしていないし、新羅征伐もない。あったのは雄略時代の新羅による伽耶滅亡と、百済衰退と、それを救おうと活躍した筑紫君及び葛城襲津彦の孤軍奮闘だけであった。両者は日本を百済を伽耶を救おうとして孤軍奮闘したのである。そのために氏族は衰亡し、手助けした吉備・出雲・筑紫もろともに雄略の直系である欽明によって滅ぼされたのである。つまり欽明と蘇我氏こそは伽耶日本府消滅と、のちの百済滅亡のきっかけである。


眼から鱗は落ちましたか?





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